はじめに

50代の資産形成のポイント

一般的に50代は、これまでの人生の中で給与収入がもっとも高い時期。子育て世帯でも子育て関連支出がひと段落する頃です。ここから定年を迎える60歳・65歳までが「最後の貯めどき」と言えます。

人生が長くなっている今、資産形成期が70歳、寿命が90歳と考えれば、運用期間はまだまだ長く取れます。50代は、まだお金を増やす時期と考えます。

投資をする際は、新NISAとiDeCoをフル活用すると良いでしょう。仮に50歳のときに新NISAで月8万円、iDeCoで月2万円の計10万円を15年間積み立てた場合、65歳時点の元本総額は1,800万円になります。これを年5%で運用できれば、約2,673万円になる計算です。65歳時点で、新NISAでの投資額の合計は1,440万円ですので、生涯投資枠はまだ360万円余っています。65歳以降も働く場合は働いて得られた収入を原資に積み立てを続けても良いし、定年退職でもらった退職金を活用するのも良いでしょう。

30代・40代と同じく、夫婦であればそれぞれが非課税制度をフル活用することを徹底しましょう。生涯を通じて年収が高い時期であるということは、それだけ所得税率も高いので、iDeCoを活用するメリットがさらに上がります。

60代の資産形成のポイント

60代からでも、資産運用を始めるのに遅くはありません。新NISAは年齢による期限がないので、いつまでも非課税の運用ができます。定年後であっても、数十年にわたって時間をかけて運用しながら、少しずつ取り崩すことができます。

iDeCoは、厚生年金に加入して働いていれば、65歳未満まで加入できます。さらに今後は、iDeCoに70歳未満まで加入できるようにする動きもあります。

働いていれば、勤労収入により生活費をまかなうことができます。また、合わせてiDeCoの掛金を積み立てることができれば、その間所得控除の効果も得られます。

また、60代は退職金の使い道を検討する時期でもあります。退職金額は、年々減少していますが、それでもまとまった金額がもらえる可能性は高いでしょう。このお金を利用して、新NISAで運用することを考えましょう。とはいえ、60歳まで投資をしたことがない方や、預貯金が少ない方がいきなり全額を投資するのは危険です。たとえば退職金が2,000万円であればそのうちの1,000万円と、半分を預貯金や個人向け国債などの安全資産に割くとよいでしょう。

そして、残りの半分のお金を投資に回します。60代であっても、資産形成は十分にできますが、若年層と比べると時間が少ないのは事実です。ですから、「月に50万円投資・計20回」「月に100万円投資・計10回」など投資タイミングを複数回に分けて投資しましょう。一度にまとめて買うことで生じる元本割れのリスクを抑えることができます。

今回は、20代~60代までの資産形成のポイントについてお話しました。人生100年時代を見据えて、人生が充実するようにできることから準備していきましょう。

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