はじめに
投資は「今すぐに始めましょう」
まずは、(1)の子どもの学費を確保しながら投資をいつ始めるか。答えは、「今すぐに始めましょう」。その理由は、すでに貯蓄が2,400万円あり、2人目と3人目の教育費の一部は学資保険で確保できていること、毎月5万円、ボーナスからはほぼ全額の年間190万円の貯蓄ができていることです。
ただし、一度に大きな金額で投資するのは避けたほうがいいでしょう。まずは、毎月、投資信託を積み立てることから始めてみてください。その際には、今年は「つみたてNISA」、来年以降は新しいNISAの「つみたて投資枠」を使います。「つみたてNISA」の年間投資枠は40万円ですから、毎月の貯蓄のうち3万円ちょっとを積み立てます。
来年以降の新しいNISAの「つみたて投資枠」は年間投資枠が120万円に広がるので、毎月5万円を積み立てます。投資初心者なら、利用するのはバランス型の投資信託がいいでしょう。慣れてきたら、今後の投資方針について考えてみてください。
老後を、公的年金をもらい始める65歳からと考えるなら、約20年間ありますから、運用次第では老後資金を増やせる可能性があります。
妻は末子が大学を卒業するまで仕事を続けたほうがよい
悩みの(2)老後資金と(3)夫の仕事の辞めどきは、教育費と老後資金に連動しています。結論から言えば、妻は末子が大学を卒業する7年後までは仕事を続けたほうがよいでしょう。なぜなら、妻の毎月の手取り収入20万円は、教育費がかかる期間には必須だからです。
夫は、「65歳まで働く予定ですが、老後資金を確保したときにいつからなら辞めても大丈夫かも合わせて教えてほしい」とあります。早期退職を検討されているのかと思いますが、65歳まで働くことをおすすめします。そうしないと、公的年金をもらい始める前に、せっかく貯めた老後資金をかなり取り崩すことになるからです。
末子が大学を卒業するまで月20万弱の教育費がかかる
では、(2)と(3)について、金額で確認していきましょう。
現在かなりの教育費がかかっています。3人分を合わせると毎月9万円、さらに1人目への仕送りとして8万円。合計で17万円です。1人目はあと2年で大学卒業ですが、3人目は県外の私立大学への進学を想定しているとのことですから、ほぼ入れ違いで仕送りが必要になります。
また、1人目は国立大学ですが、2人目は専門学校ですから学費は私立文系の大学とほぼ同等、3人目は文系か理系か分かりませんが私立大学ですから1人目よりも授業料などが高くなるでしょう。そうすると、3人目が無事に卒業するまでは、毎月20万円弱の教育費がかかると思っていた方がよさそうです。妻の収入は20万円ですから、妻が仕事を辞めると、貯蓄から教育費を取り崩すことになります。
ただし、2人目、3人目は学資保険がそれぞれ160万円あります。現在の残高なのか、満期金の額なのか、記載がありません。進学先にもよりますが、160万円から受験料と入学金、1年目の学費を払うと、あまり残らないかもしれません。つまり、2年目以降の学費は、妻の収入または貯蓄からの取り崩しで払うことになります。
社宅なので住居費が4万円で済んでいて、食費などもしっかり管理されているようで、毎月とボーナスを合わせると年間250万円を貯蓄しています。これは立派です。ここで妻が仕事を辞めると、この貯蓄ペースが崩れてしまいます。夫婦ともに健康とありますので、できれば妻はあと7年は頑張って仕事を続けられるといいですね。