はじめに

東京都40代夫婦、世帯年収のボリュームゾーンは1000万~1249万円

都内40代夫婦の平均年収が700万円ほどとは意外と少ない。と思った人も多いかもしれません。平均値は、すべての数値を合計して単純に世帯数で割っているので、実感と異なる場合が少なくありません。

先ほどとは異なる視点で、世帯年収の分布を見てみましょう。就業構造基本調査(2022年)によれば、東京都の共働き夫婦世帯のうち、妻の年齢が40代の世帯年収で最も多い世帯年収は、1000万~1249万円が18.73%と、最も多くなっています。

世帯年収で1000万円超が多く、都内の40代夫婦はパワーカップルが多数のようですが、年収700~799万円、800~899万円も決して少なくないことがわかります。夫婦のみの世帯の場合、世帯年収はまさに千差万別です。年収1000万円を超える世帯が多いのですが、400~499万円、700~799万円にもピークがあることがわかります。

ただし、子どもがいる世帯では、やはり世帯年収1000~1299万円がボリュームゾーンです。東京都内は私立の小学校も多く、教育費がかかることが理由のひとつとして考えられます。

40代世帯の平均貯蓄額は825万円

では、40代の平均貯蓄額はいくらでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)2022年」によれば、平均貯蓄額は、約825万円です。

ただし、この平均もまた単純な合計金額をデータ数で割った数値です。より実態に近いと言われる中央値では、250万円です。

貯蓄金額を年収別に見てみると、共働き世帯で最多だった金額に近い年収1000万~1200万円の世帯では、平均値は2247万円、中央値で1004万円です。収入も多く、貯蓄もしっかりできていることがわかります。

生活費は1カ月平均36万8000円

貯蓄がしっかりできる家計は、どのような支出バランスになっているのでしょうか。東京都40代世帯の平均生活費を見てみましょう。

総務省の「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」によれば、都内で暮らす40代夫婦の平均生活費は月39万7000円です。

40代の世帯収入の平均は約58万7000円ですから、差し引くと19万円です。そこから税金や社会保険料などの支出が差し引かれますので、差額がそのまま貯蓄になるわけではありません。平均額から見ると、月の貯蓄額は約15万6000円です。着々と貯めていきたいところです。

40代は、仕事面では経験を積みまさに働きざかり。お付き合いもあるでしょうし、スキルアップのための自己投資にもお金がかかります。家庭では子どもの教育費が重くなってくる時期です。また、老後の準備に取り掛かる人もいるのではないでしょうか。

総合的に見ると、入るお金も出ていくお金も多いのが、40代の家計の特徴のようです。とはいえ、お金の出入りを漫然と続けているだけでは、貯蓄が増えていかず心配になってしまうかもしれません。そんな時は、貯蓄は目的別に貯めて達成度を明確にしておくことがオススメです。漠然とした不安が解消されて、何がいくら足りないのか、すでに達成していることは何かが分かれば今後の見通しが立つので前向きに考えられるようになるでしょう。

計画的な貯蓄は積立タイプが適しています。なかでも、来年から新しくなるNISA(以下、新NISA)は、少額からでも始めやすく、投資による利益が非課税なのでおトクです。非課税の期間が、現行のNISAでは最長でも20年のところ、新NISAは無期限になります。

40代は仕事も家庭も充実してくる時期です。家計の不安を解消し、明るい見通しの40代を過ごしましょう。

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