はじめに

適切に投資を始めるにはどうしたらいいのか?

50代からの投資で失敗することは絶対に避けたいものです。最低限、やっておきたいことを挙げてみました。

●最低限の知識をつける
まずは、投資のひととおりの知識をつけることです。前述の通り、ネットの情報は玉石混交ですから、投資初心者向けの書籍を必ず1冊読むことをオススメします。出版社から出ている書籍は、プロの目で情報の信憑性を確認しているので信頼性の高い情報源と言えるからです。

●老後に必要な費用を明確にする
投資を始める前に、必要な老後資金の目安を把握しましょう。注意したいのは「とにかくお金を増やすマインド」に陥ってしまうことです。いつまでにいくら必要なのか明確でなければ、そもそも必要ないのに、高いリスクがある商品に手を出してしまう可能性もあります。

老後の収支を見積もり、現在の資産の棚卸しをしておきましょう。以下の項目は把握しておきたいところです。

・公的年金額(夫婦であれば2人分)は、いつからいくら受け取れるか?
・退職金はいつ、どのくらい受け取れるか?
・老後の生活費はいくらになりそうか?
・生活費以外の特別な支出(住み替えやリフォーム、子供や孫への援助、趣味、車など)はいくら必要か?
・老後のために貯めてきた金融資産や保険はどのくらいあるか?

さらに、上記の情報を元に「家計のキャッシュフロー表」を作成すれば、いつ?いくら?必要か明確になるので万全です。「家計のキャッシュフロー表」は日本FP協会のウェブサイトで無料ダウンロードできます。興味があれば活用しましょう。

相談して答え合わせをする

ここまでの流れを実行すれば、投資での大きな失敗は避けることができるでしょう。ただし、知識を得てわかったことと本当に実行できるかの間には大きな溝があります。誰でも初めの一歩を踏み出すには勇気が必要です。

このような場面で、専門家に相談するのは有用な選択肢と私は考えます。投資についての相談先には、銀行や証券会社、FP(ファイナンシャルプランナー)、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などがあります。

相談は大きく無料と有料があります。注意したいのは、無料相談を行なっている場合です。相談者に対して金融商品の提案や販売を行なっているケースが多いので、その点を理解した上で上手に利用しましょう。

また、無料相談で満足できなかった時は、有料のFP相談を検討しても良いでしょう。FPに投資の相談をする場合は一定のルールがあるのでお伝えしておきますが、具体的な株式や投資信託などについてFPが助言を行うことはできません。助言するには、金融商品取引業として登録が必要となるからです。

ただし、相談すべき内容については「いつまでにいくら必要だから、こういった投資を行うつもりだ」を優先すべきでしょう。例えば、キャッシュフロー表について、作成依頼や自分で作成したもののチェックをしてもらう、また、証券口座や適切な商品の選び方、積み立て設定の方法などの操作をサポートしてもらえるFPに依頼するのも一考です。

最後になりますが、50代からの投資はなるべく早く始めることも大切です。迷ったり、悩んだりして時間を失うことは最大のリスクです。必要な時はサポートを受けながら進めていきましょう。

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