はじめに
【2】「信用リスク」とは?
債券やローンなど、借入れを行った企業や国が、期限までに利息や元本を返済できなくなるリスクのことを「信用リスク」といいます。このリスクは、投資家が投資先の国や企業の信用力を評価する際に重要なポイントとなります。
具体的な事例としては、2009年に起こったギリシャ財政危機が挙げられます。2009年、ギリシャで政権交代をきっかけに財務赤字が明らかとなり、国債が暴落したことなどから事実上の債務不履行状態に陥ったことを記憶されている方も多いでしょう。債務不履行(デフォルト)とは、借りたお金を返せないことを指します。
また、アルゼンチンは過去に複数回のデフォルトを経験していますが、2020年に6年ぶり9度目のデフォルトに陥りました。今年はアメリカがデフォルトに陥るのではないかとの懸念が台頭する場面もあったり、日本の債務も、対GDP比でなんと約250%となっており、他人事ではありません。
「信用リスク」への対策は?
対策としては投資をする前に国や企業の財務状況や信用評価をしっかりと調査し、安定した経営をしている企業を選択することが必要になります。また、株式やFXなどのトレード(数分から数時間など値動きを目の前で把握している状況)のような取引や、定期的に値動きをウォッチして銘柄を入れ替えるなどメンテナンスを心がけることで何かが起きた時にすぐに対処できるようにすることは大切です。債券投資の場合は、期間が短い債券を選ぶことで、将来の不確実性を減少させます。
リスクの低い投資(国債など)と高リスクな投資をバランスよく組み合わせる、クレジットデフォルトスワップ(CDS)などを利用してヘッジを行うなども対策として有効でしょう。