はじめに

株主の方を向いた米国企業に日本企業は対抗できる?

投資をするならば、大切なお金は、魅力ある銘柄に投資したいと思うのは当然でしょう。

そこで東証ではフォローアップ会議を開き、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」と称し、抜本的な改善策を模索するよう企業側に提案をしています。この働きかけに応じるように複数年単位で増配を決定した企業や所有する不動産を売却して株主還元を考えている企業も現れはじめています。

良くも悪くも株銘柄選びは人気投票的な部分があります。ひたすら内部留保を続けていては株主から好かれる企業になれるはずがありません。日本はバブル崩壊時に企業に対して銀行の貸し渋りが起こり、倒産が相次ぎました。多くの経営者たちが銀行に頼らずとも企業経営を続けていかなくてはならないと身に染みてしまい、その結果内部留保が頻発するに至りました。

一方、米国株は年間4回の配当金が主流です。米国の企業では、利益が出たら投資家たちと「双方で分け合う」という考え方が根付いていると感じます。

東証が促す「資本コストや株価を意識した経営の実現」は米国株と日本株が同じ土俵に上がり見劣りしないよう少しずつでも体裁を整えようとしている向きがあるようにも感じます。

人気があるもの(株)に手が伸びるのは世の常です。用心深くも賢い経営を行い、投資家にとって魅力的な日本企業がたくさん現れるよう心から願う気持ちです。

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