はじめに
アジア地域の営業利益率は圧倒的
画像:サイゼリヤ「2023年8月期 決算説明会資料」
売上高だけをみると①国内サイゼリヤの売上が1204億円と圧倒的に高いですが、②営業利益はじつは約15億の赤字です。一方、③アジア地域の売上は627億円に対して、④営業利益は約85億円、なんと営業利益率は13.5%と外食産業の平均を圧倒的に凌駕しています。
つまり、サイゼリヤの利益は、すべてアジア(おもに中国)で稼いでおり、残念ながら国内事業は足を引っ張っているお荷物なのです。
ただし、間違いなく国内においてもサイゼリヤへ客足は向いています。わたしの家の近所にあるサイザリヤはいつも賑わっておりますし、時間帯によっては順番待ちになります。実際、前年比で客数も客単価も伸びています。値上げをせずに客単価が伸びているのは、値上げをしたほか外食店と比べて、相対的に安く感じ、ついもう1品を追加注文してしまうという心の罠でしょうか?
画像:サイゼリヤ「2023年8月期 決算説明会資料」
好決算で株価はストップ高
好決算を受けて、翌日株価はストップ高。その後も非常に堅調です。当社は、景気後退時に非常に強く、97年の金融不安や、2008年のリーマンショック後に、利益を倍増しています。
画像:TradingViewより
新年度である2024年8月期の予想は、売上高2,111億円と過去最高、営業利益は131億円で、こちらも過去最高の143億円にかなり近い数字です。もしかしたら、当社の好業績は、景気後退を示唆しているのかも…という不吉な予感が浮かんでくるのを打ち消しつつ、近所のサイゼリヤでランチしてきます!
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。