はじめに
2.ETF(上場投資信託)に投資する
低コストで運用総額の大きなETF(上場投資信託)に投資をするというのも一つの選択肢です。
全世界型としてはVT、アメリカの比率を減らしたいのであればアメリカを除く先進国のETFであるVEAや、欧州のETFであるVGK、新興国の比率を増やしたいのであればVWOなど、分散投資をしながら地域分散のバランスをご自身で整えていく戦略も作りやすいのではないかと思います。
また、米市場に投資する場合でも、どのようなETFを選ぶかで、投資する株の傾向が変わってきます。例えば「つみたて投資枠」でS&P 500に連動する投資信託を選び、成長投資枠でVOOやVTIに投資をすると米市場の成長の恩恵をストレートに受ける形となります。VTVなら米国の大型バリュー株(割安株)、VUGなら大型グロース株(成長株)、QQQならハイテク株、VTWOならラッセル2000(小型株)…といった具合です。
成長投資枠で選べるETFは多様にありますので、目的に合ったポートフォリオを組めることはメリットでしょう。選び方のポイントとしてはご自身の投資の狙いに合っているか目論見書を確認すること。ETFを選ぶ際は運用総額が大きいもの、コストが低いものを選ぶ方が無難だと言えます。またチャートを見て、長期にわたって価格が上昇していないETFは避けたほうが良いと考えます。
3.安定した大型株、定性面の強みのある銘柄やETFを狙う
安定性を求めるのであればボラティリティ(価格変動率)が低めの銘柄、トップシェアなど業界ですでに確固たる地位を築いているような銘柄に投資するという戦略も考えられます。増配銘柄(前期よりも配当が増える銘柄)を狙うのもおすすめです。個人的にもポートフォリオに加えようと考えているのはバンガード米国増配株式ETF(VIG)です。
1銘柄で米国で10年以上の増配実績がある中・大型株に分散投資できるETFで、財務面で安全性が高い銘柄が多く含まれるためショックの際にも下落耐性が比較的強いことも長期投資に向いていると言えるでしょう。経費率は0.06%とコスト面でも有利なところもポイントです。
長期間連続増配する“配当貴族”、“配当チャンピオン銘柄”、と言われるものが多く含まれます。連続して増配できるということは、業績が良く、株主還元に積極的で、コロナ禍でも増配できるくらいの安定した需要やブランド力といった定性面の強みがあり、高収益であることが想定されます。そのような企業に分散投資でき、未来の高配当も狙える魅力のあるETFと言えるでしょう。
米国ETFはちょっと…という方はVIGを実質的な主要投資対象としている投資信託であるSBI・V・米国増配株式インデックスファンドも良い商品だと思いますので、気になる方は調べてみてください。