はじめに

2023年3月期は戦略的な先行投資で赤字に

さて、chocoZAPを開始したのは2022年7月です。会員数は100万人突破とかなり好調のようですが、実際の業績はどうなのか気になります。直近の決算を見てみましょう。

画像:RIZAPグループ「2024年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

11月14日に発表された2024年3月期の第2四半期決算は、①売上収益は81,012(百万円)、②前年比5.3%、③営業収益ー5,791(百万円)と売上は前年比でやや伸びていますが、営業収益は大幅赤字となっています。ただし、今期の営業収益予想は-4,500(百万円)なので、予想通りに進捗しているのであれば、下期で挽回することになります。

画像:RIZAPグループ「2024年3月期 第2四半期 決算説明会資料

決算説明資料を確認すると、20年3月期の第4四半期はコロナの影響で大きく赤字を掘りましたが、その後黒字に回復、2023年3月期からは戦略的な先行投資で赤字となっています。chocoZAP会員基盤拡大のため、新規出店や広告宣伝投資等に費用がかかるのはやむを得ないのでしょう。

黒字転換のためのアクションは?

当社のセグメントは、以下3つの事業部になります。

・ヘルスケア・美容(RIZAP、MRKホールディングス、ジャパンギャルズ、健康コーポレーション)
ライフスタイル(REXT、ワンダーコーポレーション、ジーンズメイト、BRUNO、アンティローザ、D&M)
インベストメント(SDエンターテイメント、夢展望、堀田丸正、SDエンターテイメント、湘南ベルマーレ、サンケイリビング新聞社)

chocoZAPは、RIZAP関連事業になりますので、ヘルスケア・美容事業部に含まれます。

画像:RIZAPグループ「2024年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

セグメント別の利益を見ると、ヘルスケア・美容事業部の損失が赤字の大元だと分かります。下期は、黒字転換予想ですので期待したいところですが、そのためには、会員数の拡大はもちろん、退会率の改善も重要です。

そこでチョコザップでは、1週間以上来店のない会員に向けてアプリ上で来店を促す通知を配信しており、その効果もあって退会率は大幅に抑制されています。

画像:RIZAPグループ「2024年3月期 第2四半期 決算説明会資料

また、ジム内に設置された防犯用AIカメラのデータから、マシンが使われている頻度など、会員がどのように利用しているかの分析も行っています。それにより利用率の低いトレーニングマシンを廃止したり、人気のあるマシンを積極的に導入したりするなど、会員の満足度を高め、退会率の改善に寄与しています。

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