はじめに
<グループ2>資産価値の低い不動産
公共性とは異なり、「資産価値があまりにも低い場合は、税負担は免除してあげよう」という観点で固定資産税が0円になるケースがあります。
①評価額が30万円未満の土地
評価額(※注)が30万円未満の土地は、固定資産税の課税が免除されます(この金額のことを「免税点」といいます)。たとえば、都市部の住宅地などは、一般住宅でも評価額が数百万~数千万円ということも珍しくありませんが、他方、農村部の山林や農地、原野といった土地は、評価額が数千円程度といったケースが一般的です。この場合は、固定資産税額が数十円になってしまうため、わざわざ数十円のために、数百円以上かけて納税書類作成して、それを郵送して…といったコストを考えると、税自体を免除してしまった方が合理的という考えも影響した規定なのかもしれません。
ただし、これは所有者1人が、ある市町村内の所有している不動産の合計評価額として見られるため、たとえば評価額10万円の土地を所有していて、固定資産税が免除されている場合でも、10万円の土地を同じ市町村内5箇所に所有していた場合には、”合計50万円の土地を所有している”と判断され、課税対象となります。
※注:厳密には「課税標準額」という金額を指します。今回はこの詳細は割愛しますが、評価額=課税標準額ということもあれば、宅地などは評価額>課税標準額となっています。
②評価額が20万円未満の建物
土地と同様、評価額が20万円未満の建物も、固定資産税の課税が免除されます。特に、築年数が経過するほど評価額が下がっていくために、ある年に突然、固定資産税がかからなくなることもあり得ます。ただし、建物は、何年経っても、評価額が0円になることはないため、「それなりに小さい面積の、かなり古い家屋」の場合に限られ、これに該当するケースはそれほど多くないのが実情です。