はじめに
使う・貯める・増やすの三分法
仮に月の基本生活費が40万円だとしましょう。ここでは多い、少ないは問題ありません。まずは現在どのくらい使っているのかを把握します。住宅ローンがある場合も基本生活費に含めます。この基本生活費の3ヶ月分を普段利用する普通預金口座の給与日前残高に設定します。
生活費3ヶ月分は、非常時の支出に備えるためのお金です。給与日前の残高が120万円で、給与日には1ヶ月に必要な生活費40万円を普通預金に入金します。すると残高が160万円になりますが、1ヶ月経過した次の給与日前にはまた残高が120万円に戻ります。この預金口座は「使うお金」の置き場所と呼びます。
このサイクルを数ヶ月続けると、生活費の検証が可能になります。もちろん毎月多少の変動がありますが、だいたい給与日前の残高が一定であれば、予算内で生活ができていることになります。大きく残高が変動したときは、イレギュラーな支出はなんだったのか確認が可能ですし、なにか節約したいとなった場合でも数字を追いやすくなります。共働き世帯など特に日々忙しいでしょうから、少し時間がある時にお金の流れが把握しやすい仕組みを作ることをお勧めします。
1年を振り返り把握した月末残高の増額分は、「貯めるお金」の口座に移しましょう。積立預金の設定にしても良いでしょう。貯めるお金は、5年から10年以内に使う目的のお金の保管場所です。このお金は投資には回さず元本が割れない確実な金融商品にします。
例えばネット銀行の定期預金もお勧めです。オリックス銀行やあおぞら銀行であれば、比較的金利が高く設定されています。通帳記入をしてみて、低金利口座に眠ったままのお金があるようであれば、まとめて定期預金にしましょう。
定期預金は3年以上の期間で預けると複利となります。目的に合わせて期間も選ぶとお金の増え方も変わります。預けるお金の額によって金利が高くなることもあります。ただし、満期日前に解約をすると解約利率といって設定されていた金利より低い金利しかつかなくなってしまいますので、むやみにお金をまとめてしまうのも考え物です。ここも使う目的に合わせて上手に選びます。
最近は10年ものの個人向け国債の金利も上がってきました。12月発行のものは、0.46%です。これは変動金利なので、半年に1回金利が見直しされます。発行から1年経過すれば途中換金も可能です。その際は、直近2回分の利子分が差し引かれますが、元本は割れないので、安全確実の貯めるお金の置き場所としては、有効です。銀行や証券会社で購入が可能です。