住まい

なぜ商業地に「ワンルームマンション」が建つのか?

相続税、不労収入…メリットとリスク

古くからの戸建て住宅と、会社などが入居する商業ビルがひしめきあう交通の便がよい地域では、近年、ワンルームマンションの建設が盛んです。

戸建て住宅が取り壊されたかと思うと、次に建つのはワンルームマンションということも、まれではありません。このような現象が多く見られるようになったのは、なぜでしょうか?


ワンルームマンションで“不労収入”

これは戸建て住宅に限りませんが、住宅が老朽化してくると維持管理は大変で、費用も多額にかかるのが通例です。屋根の葺き替えや外壁塗装など大掛かりなものから、水まわりや内装などのリフォームまで含めると、戸建て住宅の維持管理費用は総額で2,000万円ほどになるともいわれています。

固定資産税については、建物に関する部分は老朽化につれて税金も安くなりますが、立地がよければよいほど、土地にかかるものは高止まりのまま。

また、マンションであれば、所有している部屋の面積に応じて敷地部分の固定資産税が按分されますが、戸建て住宅の場合は全額自己負担となり、その負担感は大きくなります。

これら資金面での負担が重くなると、戸建て住宅を手放すという選択肢も視野に入ってくるのではないでしょうか。そこで、流行のワンルームマンションを建設して、不労収入が得られるようになれば渡りに船といえるでしょう。

賃貸住宅なら相続税が安くなる?

戸建て住宅の建て替えよりも、ワンルームマンション建設を選ぶのには、理由があります。

平成27年に行われた相続税の改正で、相続税の基礎控除が従前の6割に縮小されました。この改正で、従来であれば相続税がかからなかった戸建て住宅の持ち主も、相続税負担の危機にさらされるようになったのです。

そこで考えられたのがワンルームマンションなど、賃貸住宅の建設です。

賃貸住宅の建てられた土地は、相続税を計算する際に借地権や借家権の割合を考慮することで土地の相続税評価額が低くなり、相続税額を減らす効果があります。さらに、「小規模宅地の特例」制度を使用することで、土地の相続税評価額を最大で50%引き下げることができるのです。

例えば、土地の相続税評価額(自用地の場合)が5,000万円の土地があったとします。このとき相続人がご子息お一人であれば相続税額は160万円(注1)となりますが、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%の土地で小規模宅地の特例を利用できた場合、土地の相続税評価額(貸家建付地)は2,050万円となり基礎控除より少ないため相続税額は0円(注2)となるのです。

注1:(5,000万円-基礎控除額3,600万円)×15%-50万円=160万円
注2:5,000万円×(1-60%×30%×100%)×50%=2,050万円
2,050万円-基礎控除額3,600万円<0円のため、相続税額0円

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