はじめに

「お金で時間を買う」プレミアアクセスが好調

画像:オリエンタルランド「2024年3月期 第3四半期決算説明会

当社のメイン事業である、ディズニーランドとディズニーシーのテーマパーク事業を見ると、入園者数、ゲスト一人当たりの売上高はどちらも前年比を大きく上回っています。

とくに気になるのは、アトラクション・ショー収入に記載されている2つです。

・ディズニー・プレミアアクセスの増
・変動価格制による高価格帯チケット構成比の増

ディズニー・プレミアアクセスというのは、別料金を払えば人気のアトラクションに待たずにアクセスできるチケットで、まさに「お金で時間を買う」行為です。じつはわたしも2023年3月に娘たちとディズニーシーを訪れ「ソアリン」というアトラクションのプレミアアクセスを利用しました。ひとり2,000円×3人=6,000円の追加料金ですが、3時間の待ち時間との引き換えと考えると安く感じてしまうのは、まさにディズニーマジックなのでしょうか? せっかく来たのだから、なるべくたくさんのアトラクションを体験したいという心理をうまく利用したシステムです。

またチケット価格は、変動価格制を導入し、1デーパスポートの入場料(大人)は、7,900円~1万900円で、コロナ前の19年3月末と比べると7~47%上昇しています。段階的な値上げですが、上げても上げても客離れは起きておらず、むしろ増える驚異の集客力。

娘たちは、去年1年間で、ディズニーランド、ディズニーシー合わせて5回は行っています。学生にとって、けして安くない出費ですが、それでも繰り返し訪れる理由は、アトラクションの魅力はもちろん、現地で買うグッズや、SNSへの投稿映えもあるようです。

余談ですが、最近は、若い男の子たちもみんな頭にキャラクターの耳などのカチューシャをつけているんですね。娘に言わせると「ディズニーランドに行くのに、何もつけないなんてありえない」そうです。恥ずかしながら、わたしも(生まれて初めて)ミニーちゃんの耳をつけて夢の国で1日過ごしました。そのカチューシャひとつとっても、まあまあのお値段ですから、一人当たりの売上高が上昇するのも納得です。実際、第3四半期累計のテーマパークの商品販売収入の伸びは、前年同期比41%増と売上の伸びに大きく貢献しています。

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