はじめに

①死亡・高度障害など万が一のリスクは「保険」で備える

起きる頻度・確率は低いものの、起きてしまった場合に命や生活に大きく関わる場面は、保険で備えることをおすすめします。

たとえば病気や事故による死亡、高度障害、火災、地震などは起きる頻度や確率は低いものの、一度起きると大きな損害が想定されます。被る損害は数千万円から数億円以上に及ぶ可能性があるため、これらのリスクに対しては保険で対策をしておくことが重要です。よっぽどの資産家であれば必要ないかもしれませんが、多くの方は数千万円から数億円以上もの損害をご自身の資産でカバーすることは難しいでしょう。

起こる確率が低いなら、払った保険料は無駄になるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、そもそも保険は”One for all, all for one(一人は皆のために、皆は一人のために)”という「相互扶助」の考え方から生まれています。少しの保険料を皆で出し合えば、誰かが大きい損害を被った際に皆でカバーし合えるのです。

もったいないと思うかもしれませんが、起きる頻度・確率は低いが起こると損害が大きいリスクに対しては保険でしっかりと対策をしましょう。

②雨の日の自動車事故や喫煙による肺ガンなどのリスクは「回避」

雨の日の運転や喫煙などは、事故や病気のリスクが高まる行動ですよね。これらの事故や病気は、家計に与える損害は大きいと考えられます。こういったリスクに対しては、保障額や補償額をしっかりと備えるほか、そもそもそのリスクに晒されないようリスクを回避するようにしましょう。つまり、雨の日の運転は避ける、タバコを吸わないなどが対策になります。

また、自分でリスクを高めてしまった結果発生した事象については、保険ではカバーできなかったり、保険料が割高になってしまったりするケースも多くあります。たとえば、喫煙者の方が保険に入りたい場合、非喫煙者よりも保険料が高くなることが殆どです。

仕事などで仕方なく自動車を使うこともあるかと思います。それ以外で避けられるリスクは極力避けるようにしましょう。

③風邪や体調不良は「予防」を心掛ける

ちょっとした風邪や体調不良などは頻繁に起こりますが、起こったとしても命に関わるようなことではないし、家計への影響も大きくないですよね。よく起きるリスクであっても、損害が小さいものについては保険で備える必要はありません。そもそも、ちょっとした風邪や体調不良のために保険に入る方もあまりいないでしょう。こういったリスクは予防することでリスク自体を減らせます。

具体的には、日々の運動や食生活の見直し、健康診断や人間ドッグの定期的な受診などが対策になります。すべてのリスクを予防することは難しいですが、日々意識して気を付けるだけで頻度を減らしたり、ダメージをより抑えられたりします。頻度や確率が高く、かつ損害が大したことのないリスクについては保険を考えるよりも、日々の健康維持が大切です。

④短期入院や骨折などのケガは「貯蓄」で賄う

最後に短期入院や骨折などについて考えてみましょう。これらはもちろん起きないほうがいいですが、仮に起きてしまったとしても損害は限定的です。しっかりと準備できていれば保険に頼らず、ご自身でそのリスクに備えることも可能です。

ここでいう損害は入院費や治療費などの医療費が該当します。この医療費を自分で賄えるように貯蓄をしたり、資産運用をして資産を増やしたりしておくことが望ましいとされています。

医療保険もこういったリスクへの備えになりますが、一般的に医療保険は損害よりも支払う保険料の方が高額になるケースが多く見受けられます。生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」によると、過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人の直近の入院時の自己負担費用は、平均で19.8万円です。この19.8万円は月々3,300円を5年間貯蓄に回せば賄える金額です。

あくまで平均値にはなりますが、普段からしっかりと貯蓄や資産運用で資産形成ができている方は、医療保険の重要性はさほど高くないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。一方で、医療費を自分で賄えるほどの貯蓄がない方は、医療保険に入っておきましょう。

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