はじめに

貯蓄額は「通帳」を振り返るとわかる

手取り収入が分かったら、次は貯蓄額を確認しましょう。自分が実際に1年でいくら貯蓄できていたかわかれば、新NISAで無理なく積立投資を続けられる金額の目安にできます。

貯蓄額は、自分が持っている預金通帳などの情報を整理すると算出できます。具体的には、現在の貯金残高と1年前の貯金残高を比べるのです。増えていれば、その金額が「この1年で貯金できた金額」といえます。

預金通帳以外で貯蓄や投資をしている場合は、その分も考慮しましょう。例えば、財形貯蓄やiDeCo、投資信託などに回したお金が該当します。これらの金額(年額)と、預金で増えた金額を足した額が、「この1年の貯蓄額」となります。

<貯蓄額の概算方法の例>

■ステップ1:預金通帳などから情報を取り出す
A銀行:残高230万円、1年前は190万円
B銀行:残高35万円、1年前は18万円
C銀行:残高67万円 1年前は25万円
(1)合計預金残高 332万円  (2)1年前は233万円
(3) (預金通帳に載っていない)財形貯蓄や投資に回した金額:年間40万円

■ステップ2:直近1年間の貯蓄額を算出する
(1) の金額-(2)の金額+(3)の金額
332万円-233万円+40万円=139万円(直近1年間の貯蓄額) ※マイナスの場合は家計が赤字ということ

計算した結果、「やけに貯蓄額が少ない」と思ったら、直近1年間で大きな臨時出費(車の購入や、大きな旅行など)がなかったかを確認してください。貯蓄額は年によって変わる家庭も珍しくないので、過去5年分ほどさかのぼって計算してみるのもおすすめです。

あわせて、手取り収入のうち何割を貯蓄できているか確認してみてください。「貯蓄額÷手取り収入×100」で、求められます。1人暮らしなら手取り収入の10%~30%以上(収入や年齢に比例して上がりやすい)、夫婦だけの世帯なら30%以上、子育て世帯なら15%以上貯められていると、着実に貯蓄できているといえるでしょう。

もしも貯蓄があまりできていない場合は、新NISAで資産運用に取り組むことと合わせて、支出のスリム化にも力を入れるのがおすすめです。

支出は「手取り収入」から「貯蓄額」を引けばわかる

家計簿をつけていないと、「支出はまったく把握していない」という人も多いのではないでしょうか。家計簿をつけていなくても、手取り収入と貯蓄額がわかったら、1年間のおおまかな支出額を計算で出すことができます。新NISAで投資できる金額を増やすためにも、今の自分の支出状況を確認しておきましょう。

<支出額の概算方法>
1年間の支出額=手取り収入-貯蓄額

例えば、手取り収入が600万円で貯蓄額が50万円なら、1年間の支出額は550万円です。平均するとひと月約45.8万円であることがわかります。

支出額が思ったよりも大きかった場合は、支出を見直すことで投資に回せる金額を増やせる可能性があります。直近のクレジットカード明細などから削減できそうな支出を探し出してみましょう。

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