はじめに

人気の高配当株ファンドを比較

投資家に人気の高配当株ファンドを比較してみましょう。月次資金流入額の多い主な高配当株ファンドには、次のものがあります。なお、データは2024年2月5日時点のものです。

<高配当株ファンド>
(株)Money&You作成

「日本好配当リバランスオープン」は直近1年の分配金利回りが12.92%ととても高くなっています。直近の1月決算で分配金を1500円としたことがその要因です。過去の分配金情報をみると、2023年・2018年・2017年の1月決算時に1000円台の分配金を出していますが、その他の年はおおむね40円になっています。ただ、新NISAなどを背景にしてか、同ファンドの資金流入が急拡大。「純資産規模を運用可能な適正範囲に維持するため」として2024年2月7日をもって新規購入申し込みを一時停止しています。

冒頭で紹介した「SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」は、2023年12月に設定・運用が始まった投資信託ですが、すでに純資産総額が400億円を突破するなど人気です。運用開始時30銘柄の予想配当利回りは4.5%。アクティブ型の投資信託でありながら、信託報酬が0.099%と低いのも魅力です。「配当の高さに着目したインカムゲインを重視すると共に、キャピタルゲインの獲得も目指す」とのことですが、今後どのような運用成果が出てくるのか注目されます。

「日本好配当株投信」「ブラックロック 世界好配当株式オープン」も分配金利回りは9%台と高いのですが、信託報酬が1%以上と他に比べて高いところが気になります。

高配当株ファンドの銘柄選びのポイント

高配当株ファンドを選ぶときにまず目がいってしまうのは分配金利回りでしょう。分配金利回りは、高いほど投資金額のわりに多くの分配金を得られることを示します。

しかし、それほどの分配金利回りを達成するためにどんな銘柄に投資をしているのか、どんなリスクを取っているのかは把握しておきましょう。前述のとおり、分配金が普通分配金なのか元本払戻金なのかの確認は重要です。株式情報のサイトには「分配金健全度」などといって、分配金に占める普通分配金の割合が示されている場合もありますので、100%になっている(=すべて普通分配金)かを確認してみましょう。

また、次の5つのポイントもチェックしておきましょう。

(1)分配金利回りの推移…5年、10年と安定して高く、他のファンドよりも高いか
(2)トータルリターンの推移…5年、10年と安定してプラスで、他のファンドよりも高いか
(3)低コストであるか
(4)純資産総額50億円以上か
(5)月次資金流入が堅調か

(1)(2)が安定して高いからといって、将来も高い保証はありません。しかし、過去5年、10年ときちんとした運用を行い、実績がある高配当株ファンドのほうが信頼できるでしょう。そのうえで、(3)のように低コスト、信託報酬の安い投資信託であれば、その分利益が出しやすくなります。

投資信託の運用には、ある程度の資産が必要です。(4)のように純資産総額が50億円はないと、分散投資がしにくいですし、早期に運用を終了する繰り上げ償還が行われる可能性もあります。(5)のとおり月次資金流入が堅調な投資信託が望ましいでしょう。

新NISAで高配当株ファンドに投資すれば、安定した分配金を非課税でもらい続けることができるメリットがあります。しかし、値下がりリスクや配当利回りが減るリスクもありますし、新NISAで購入する場合の注意点もあります。今回紹介したことを押さえつつ投資先を選んでいただければと考えます。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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