はじめに

バブル崩壊を招いた不良債権問題はカタがついていた

インフレになったことが株高の理由である、というのは、経済的には上記の説明ですが、実はもっと深い意味があると思っています。それは、デフレは日本の経済と株式市場低迷の象徴であり、その終焉こそが株価浮上の大きな原動力となる(なった)からです。

日本経済がデフレに陥った要因は、1980年代末期に膨張し過ぎたバブルの崩壊であり、それが招いたのが銀行の不良債権問題でした。バブル崩壊=株価下落の過程というのは、ひとえに日本の金融危機への道であり、いってみれば時間をかけて緩やかに破局に向かった日本版リーマンショックです。政府の対応が遅かったため、サドンデス(突然の死)ではなく、ゆっくり時間をかけて、じりじりと破局に向かい、そこからの回復もまた時間がかかるといった類のものだったのです。

実は不良債権問題は2003年のりそな銀行への公的資金注入でいったん、カタがついたのですが、そこからの持ち直しに時間がかかったのもそういう理由です。

しかし、時間はかかりましたが、株安の本源的理由=バブル崩壊による日本の不良債権問題はとっくに解決されていました。実際に、株価は2003年に底を入れています(その後、リーマンショックの2番底が大底になりますが)。

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