はじめに

老後生活をイメージするのは「書いてみる」とわかってくることがある

拙著の『定年前後の手続きガイド2023年版』(宝島社発行)の付録に、「書きこみ式定活ノート」というのを付けたことがあります。

定年後にやりたいことは、比較的書きやすい項目です。しかし、1週間のスケジュール、1日の予定という項目になると、埋めることができないのです。このノートの目的は、スケジュールを埋めることではなくて、埋められないことに気付くことなのです。

そこから、真剣に何をしようかというモチベーションが生まれてくればということで、この付録を付けました。

では、定年後にやりたいことを決めるにはどうすればいいのでしょうか? 退職前にできることは、できるだけ老後の生活をイメージしておくことが重要でしょう。そのためには一度、自分のことを棚卸ししてみることです。

いままでのキャリア、定年後の働き方、生き方、人との交流などについて、どのようにしたいのかを考えてみましょう。とは言っても、どうやって考えればいいのか漠然としています。まず、いくつかの項目について、自分なりに箇条書きに書き出してみるのがオススメです。書くことで頭を整理することができます。

それと大切なことが「お金」です。やりたいことがあっても経済的な問題が出てきます。まず「お金」の状態を把握しておかないと、やりたいことはすべて「絵に描いた餅」になるのです。

定年後のお金がわかれば、老後生活のイメージができる

お金を把握するためには、老後資金がどのくらい用意できるのかを知っておく必要があります。もちろん退職金も入れた金額です。それと老後の収入です。老後の収入は、おもに公的年金と企業年金です。

「老後資金」についても必ず書き出しておくことをオススメします。老後生活の収支がわかれば、イメージがグッと見えてくるのです。

引退をして、趣味を続けるのか? もう少し働いた方がいいのか?も見えてきます。まずは、試しに自分のイメージを書き出してみませんか?

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