はじめに

湖池屋、カルビーどちらにベットするべきか

さて、両社とも業績好調で、株価も堅調となれば、投資家としてはどちらにベットするべきでしょう。これはなかなか難しい問題です。

株価だけ見れば、湖池屋8,600円、カルビーは3,400円と、カルビーのほうが安いですが、投資をする上では、株価の安い高いではなく、今後、より上昇率が高いと思うほうを選ばなくてはいけません。ちなみに湖池屋は3月31日付で1株を2株に分割する予定ですから、カルビーとの株価の差は小さくなります。

株価の割安さを測るPERは、今期一株益予想で計算すると湖池屋23.1倍、カルビー23.7倍とほぼ同じ。PERは、株価の割安さを測る指標ですが、一方で、投資家からの期待値でもあります。数字が高ければ高いほど、投資家からの期待が高いと考えられますので、その点でも湖池屋とカルビーに対する期待はほぼ同程度といえるでしょう。

株価は、サプライズがあったときにぐいっと上昇します。進捗率から考えると、両社とも上方修正の可能性があり、それがサプライズニュースになり得るのですが、すでに株価には織り込まれているような気もします。おそらく投資家の目線は、来期に向いていますので、次回の本決算で新年度予想をどう出してくるかで株価の行方は変わりそうです。

短期的には、受給も株価に大きく影響します。信用取引における買い残高を売り残高で割った信用倍率を比べると、湖池屋は4.79倍、カルビーは0.74倍。信用取引では、買った場合は売り、売った場合は買いの反対決済を、基本的には半年以内に行わなくてはいけません。信用倍率が1倍を割れているというのは、信用買い残よりも信用の売り残のほうが多いため、近い将来では、買いの圧力が強くなるということです。

信用で売っている人は、株価が上昇すれば損をしますので、上がっていく局面では買い戻す人が増えます。カルビーはここのところずっと上昇していますので、信用で売っている人は気持ち穏やかではないでしょう。早く買い戻したいと思っているはず。買う人が多くなると、さらに株価が上がるので、ますます信用で売っている人は焦ります。そこでまた買い戻しが増えて、買いが買いを呼んで株価がさらに上がる。これを踏み上げと言いますが、それが起こりやすいのがカルビーです。となると、短期的にはカルビーのほうが有利かもしれません。

しかし、カルビーには不利となるファクターもあります。それは株主優待がないことです。湖池屋は100株以上の保有で2,500円相当の自社製品がもらえますので、3月の優待月には優待目的の買いも期待できます。3月限定で見れば、湖池屋有利でしょうか?

ここまでくるとあとはもう、どちらの商品が好きかというシンプルな問いになります。好きなほうを選べば、万が一、株価が下がったとしても納得感があるのではないでしょうか? いろんな理屈をこねまわしたとて、株式投資の真髄は、結局、自分が応援したい企業に投資することだと思います。2社のポテトチップスを食べてみて、自分が「好き!」と思ったほうに賭けてみてはいかがでしょう?

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