はじめに

今さらの話で恐縮ですが、2024年から新NISAがスタートしました。特に資産形成層の方は、つみたて投資枠を活用して投資信託を積み立ててこうなどと考えているのではないでしょうか。その投資信託の収益率を示す数字について解説します。


基本となるのは「騰落率」

投資信託を購入、解約する際には、「基準価額」という値段が適用されます。基準価額とは、1口あたりの純資産総額であり、純資産総額とはファンドに組み入れられている株式や債券などの時価総額になります。つまり株価や債券価格が値上がりすれば、ファンドの純資産総額が膨らむため、基準価額も上昇します。逆に、株価や債券価格が値下がりすれば、基準価額は下落します。

そして、この基準価額の値上がりによって得られるキャピタルゲインが、投資信託を保有することによって得られるメインの収益になります。

この基準価額が一定期間中、どのくらいの率で上昇・下落したのかを見るための数字が、「騰落率」です。たとえば2021年2月末時点では1万円だった基準価額が、2024年2月末時点で1万5000円だとしたら、「過去3年間の騰落率は50%」と表記されます。

%表示になるため、騰落率と利率を混同しやすいのですが、利率は「年利率」といって、1年あたりに得られる利息の元本に対する比率を示すのに対し、騰落率の場合、過去3年間の騰落率だとしたら、それは3年間に基準価額が何%上昇したのかを示します。

また、あまりケースとしては見られませんが、過去3年間の騰落率を、敢えて1年あたりの平均値に直す場合もあります。仮に過去3年間騰落率が50%だとしたら、その3分の1に該当する年平均騰落率は、16.66%になります。

ただ、平均は便利な概念ではあるものの、本質を見誤らせるリスクがあります。年平均16.66%というと、何となく毎年16.66%ずつ上昇するというイメージを抱きがちですが、たとえば1年目が30%、2年目が▲20%、3年目が40%でも、年平均は16.66%になることからも分かるように、平均値だけを見ると判断を誤ることにつながりかねません。

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