はじめに
限界ニュータウンの所有者の現状
土地の使用目的があればまだしも、それがなければ、税金や維持管理費、倒木等による第三者への無限の加害リスク等、数多くの負債を抱えている状態です。そのため、限界ニュータウンの土地所有者の多くは、これらの土地をなんとか処分できないかと苦慮しています。
しかしながら、大半の所有者は、バブル期に投資目的で購入した経緯からも、今は高齢であったり遠方に住んでいるといった理由から、売却活動のために不動産会社に相談に回ることも容易にできず、結果的に放置状態になってしまっています。
もちろん、限界ニュータウンを新たに購入したいというニーズが極めて限定的であり、著しい供給過多であるゆえに、「1円でも売れない」土地が当たり前のように存在するため、それを知って、売却活動を諦めている所有者も相当数いることでしょう。
残念ながら、こうした所有者にとっては、なんとかして新たな買い手を見つけない限り、処分する手段はありません。2023年から、要らない不動産を国が有料で引き取る「相続土地国庫帰属制度」という制度が始まりました。しかし、制度の名前の通り、申請ができるのは相続した土地に限られ、自ら購入した土地は引き取ってもらうことができません。また、仮に相続が発生し、その相続人である家族が限界ニュータウンの土地を引き継いでいた場合でも、国の制度には”境界が明確でないとNG”や”私道を持っている場合はNG”といった条件が複数あり、気軽に利用できる制度とはいえません。
このような事情からも、所有者にとっても四面楚歌状態であり、分譲地自体もどんどん荒廃していく悪循環が進行してしまっているのです。
限界ニュータウンに興味を持った方へ
いかがでしたか。なお、限界ニュータウンについては、吉川祐介さんが、YouTubeや書籍でその現状について紹介されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
・YouTube:資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-
(筆者がゲスト出演している回もあります)
・書籍:『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』
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