はじめに

約1年前にこの連載で取り上げた三菱鉛筆、地味な銘柄だけに市場でもそれほど話題に上りませんが、気づけばこの1年で株価は1.7倍にも上昇しております。

参考記事:海外での売上が伸長!業績好調な老舗の筆記具メーカー・三菱鉛筆は過去最高益を超えられるのか? 

紹介したときは、ちょうど2022年12月期の本決算が発表された直後で、売上高68,997(百万円)、前年同期比+11.5%、営業利益9,243(百万円)、前年同期比+22.9%と二桁の増収増益で着地とすばらしい実績でしたが、同時に出された新年度予想は、売上高70,500(百万円)、前年同期比+2.2%、営業利益9,500(百万円)、前年同期比+2.8%で、伸び率に物足りなさを感じていました。


当初の予想値を大きく上振れ

画像:三菱鉛筆 「2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

ところが、そこから1年たって発表された2023年12月期の実績は、①売上高74,801(百万円)、②前年同期比+8.4%、③営業利益11,851(百万円)、④前年同期比+28.2%と、当初の予想値を大きく上振れて着地しています。この期を遡ってみると、第3四半期発表のタイミングで、一度上方修正をしており、同時に増配を発表。

しかも、2023年12月期から2032年12月期までの10年間、普通配当に加えて、毎年2円の特別配当を実施すると表明しました。前回の記事で、当社がPBR1倍割れを解消するためのなんらかの荒技を決めてくるのではないかと期待している旨を述べましたが、見事に決めてくれました! 現在、PBR1.17倍! しっかり1倍割れの不名誉を挽回しています。

しかも2024年を最終年度とした中期経営で目標としていた売上高740億円、営業利益116億円を1年前倒しで達成してしまったため、売上高780億円、営業利益125億円に引き上げました。

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