はじめに
信頼回復&攻めの投資が好影響か
決算説明資料によると、小売の粗利が改善しつつ、販売台数が伸びていることが業績を牽引したようです。同じく決算説明資料には「この1年を振り返って」というおもしろいスライドがありました。
画像:IDOM「2024年2月期 決算説明会資料」
第3四半期には、保険金問題で集客が大きく落ちたことがリアルに営業利益に響いており、その後、全社員に理念研修を徹底したことで集客が回復したことが分かります。
具体的な取り組みとしては、工場内にカメラをつけて、整備や修理の様子を映像で確認できるしくみを作り、自動車を預けた顧客が、愛車の様子を確認できるようにしました。信頼を取り戻すための努力の成果は、着実に実りつつあります。
キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフロー116億円に対して、投資キャッシュフローがー104億円と、ぎりぎりフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)がプラスにおさまる範囲で、攻めの投資を行っていることが分かります。
当社は、大型店舗の出店を加速化させており、24年2月期は11店舗、25年2月期も15店、出店予定です。中古車販売は、豊富な在庫を持つことが強みになりますので、業界首位の規模を持つ当社が、出店速度を早めるとなると、ライバル企業にとっては脅威となりそうです。ちなみに中古車販売大手のネクステージ(3186)は、大型店を80店舗有しており、2014年11月期の期末には89店舗へと拡大予定です。出店のスピードは、IDOMのほうが早いため、ネクステージは、背中に気配を感じつつ走るマラソンランナーのような気持ちかもしれません。