はじめに

2024年1月から新NISA(少額投資非課税制度)がスタートしたこともあり、株式投資に関心を持つ人が増えています。定期的にきまった額を投資する積立投資によって、着実に資産を増やそうと考える投資家が増えたことは、株式相場にとってもプラスです。

そんな“着実に資産を増やす”という目的とは別に、一気に資産を増やす可能性があるのも、株式投資の魅力の1つ。多くの人々が注目する相場のテーマに乗った銘柄には、比較的短い時間で資産を数倍にできる「夢」があります。今回は、いま最もホットな相場テーマの1つとされる「宇宙関連」について触れましょう。


株式投資の「夢を買う」魅力

「夢を買う」。株式投資において、資産急拡大の期待がある銘柄を買う時に、よく用いられる言葉です。数多くある相場テーマの中でも、企業の業績拡大に直結するような銘柄を買う場合は、「夢を買う」には当たらないでしょう。夢を買う投資とは、まだ海のものとも山のものともわからないものの、将来的には企業の業容を一変させるようなテーマを狙って買うこと。これが中心になります。

データセンターをてがけるさくらインターネット(証券コード:3778)の例を見てみましょう。データセンターとは、企業のインターネットのネットワークを構築するための設備。サーバーや通信用の機器などがビル1棟などにまとめられています。近年はクラウドやビッグデータの普及など、企業のネットワーク整備の必要性を背景に需要が拡大していました。さらに、ここ1、2年で膨大なデータを扱う「生成AI」ブームが到来。データセンターの需要はうなぎのぼりです。

これを背景に、株式市場では「データセンター」が注目の相場テーマに急浮上。データセンターを主力事業に掲げている同銘柄は爆発的な人気を集め、株価は年初の2100円台から3月7日には1万980円の高値を記録します。もし、年初に1単位(約21万円)を購入していたら、わずか2カ月ほどで110万円になっていました。10単位なら、210万円が1100万円です。

「そんな銘柄、危なっかしくて買えっこない」と思う方もいるでしょう。というのも、株式投資のリスクとリターンは表裏一体。理論上、「株価が2倍に上がる期待がある」ということは、「株価が2分の1になるリスクがある」ということだからです。ただ、さくらインターネットに関しては、株価が急上昇していた期間が2カ月と比較的長かったため、株価の急騰が始まってから1カ月後に参戦し、急落が始まった後に売ったとしても、資産は1カ月で2倍程度にはなったはずです。

ちなみに、さくらインターネットの株価は3月7日に1万980円の高値を付けた後に急落し、1カ月後の4月4日には4240円まで値下がりしました。もっとも、データセンターはこれからも引き合いが強い情勢が続きます。同銘柄は折に触れて株価が“乱高下”する公算が大きいと思われるため、売買のタイミングによっては資産を大きく増やせるでしょう。ただし、繰り返しになりますが、これは「売買のタイミング次第では大損する」リスクがあるということです。

相場テーマは、将来性が大きければ大きいほど、またそのテーマに関連した銘柄への投資が早ければ早いほど、株価が大化けする夢が広がります。「早ければ早いほど」である理由は、そのテーマによる株価の上昇ステージの序盤に投資することで、その後の株価上昇の恩恵を大きく受けられるからです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]