はじめに

会社員・公務員の定額減税はどう行われる?

所得税と住民税では、税金の引かれ方が異なります。会社員や公務員として働いている人(給与所得者)の場合、毎月の給与から所得税や住民税が天引きされていますね。それが、2024年6月1日以降に給与をもらう際に、次のように定額減税が行われます。

【所得税】
給与から源泉徴収されている所得税を直接減らします。2024年6月から12月の7か月間に1人あたり3万円分を差し引きます。ひと月の所得税が3万円に満たない場合には、翌月以降に繰り越して減税を行います。

また、12月までで引ききれなかった分は給付金の形で給付されます。給付金は、自治体の事務負担を考慮して1万円単位(1万円未満切り上げ)で支給されます。

【住民税】
2024年6月分を徴収せず、7月分から2025年5月分までの11か月間にわたって減税分を均等に割り振って徴収します。

たとえば、
・所得税年約10万円(月8,000円)
・住民税年約20万円(月16,000円)

の独身の世帯と4人家族世帯の所得税と住民税は次のようになります。(独身世帯と4人家族世帯では控除が異なるため税額も変わりますが、ここでは違いをわかりやすくするために税額を同じにしています)。

<独身世帯の定額減税例>

(株)Money&You作成

所得税は6月から8月までは8000円全額が控除されるためゼロ。9月の所得税は、8000円のうち、残りの6000円のみが控除されるため、2000円です。これで所得税の定額減税3万円分を使い切りましたので、10月以降の所得税は再び8000円となります。

また、住民税は2024年6月分がゼロに。7月から2025年5月までは、20万円から定額減税分の1万円を差し引いた金額を11で割った金額が毎月徴収されます。

なお、6月や12月などにボーナスが出る方もいるでしょう。ボーナスにかかる税金も定額減税の対象ですので、たとえば「夏のボーナスがたくさん出て所得税が3万円以上になる」という場合には、ここから3万円分が減税されて定額減税が終了します。

<4人家族世帯の定額減税例>

(株)Money&You作成
(株)Money&You作成

4人家族世帯の場合、定額減税の額は所得税12万円+住民税4万円の計16万円です。しかし、所得税は2024年12月まで7か月控除しても5万6000円ですから、12万円全額は控除できません。この場合、差額の6万4000円の1万円未満を切り上げた7万円が給付金として支給されます(調整給付※後述します)。

住民税は16万円を11か月に割り振った金額が均等に徴収されます。家族が多いほうが定額減税で引かれる金額が増えます。

なお、定額減税を受けるにあたって、会社員や公務員の方は特に手続きは不要。勤め先が自動的に手続きをしてくれます。年金生活者の方も同様で、年金から引かれる所得税や住民税が自動的に減るので、年金の手取りが増えます。

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