はじめに

株式投資で安定した収益を得たいと考える投資家にとって、インカムゲイン(配当収入)は非常に魅力的です。

大和総研によると2023 年度に配当方針等を変更した企業は過去 5年間で最も多くなっている模様で、JPモルガン証券によると、2〜3月に決算期を迎える東証株価指数(TOPIX)構成企業の2023年度の年間配当総額は16兆円を超えているとのことです。

そのような中、配当金を毎年増やし続ける“累進配当”を導入する企業が増加していることはご存知でしたか?

今回は、インカムゲインを狙うなら累進配当が魅力的な選択肢となりうることについて、そして累進配当を考慮して投資先を選ぶ際に役立つ「日経累進配当指数」について解説します。


配当金を減らさない「累進配当」

累進配当とは、企業が一定の期間にわたって配当金を減らさないことを指します。配当金は、企業が利益を株主に還元する方法の一つであり、累進配当を行う企業は、株主に対する利益還元の姿勢が強いと評価されます。累進配当を続ける企業は安定した収益力と財務基盤を持っていることが多いため、長期投資家にとって魅力的な選択肢となります。「インカムゲインを狙って投資をしたのに、減配になってしまった」というリスクを減らせる銘柄だと考えるとわかりやすでしょう。

累進配当を重視して投資先を選ぶ際、適切な企業を見つけるために知っておきたいのが「日経累進配当指数」です。この指数は、累進配当を実行する企業を集めたもので、安定した配当を提供し続ける企業に投資することを目的としています。

日経累進配当指数とは?

日経累進配当指数(Nikkei Progressive Dividend Index)は、日本経済新聞社が算出・公表している株価指数の一つです。

国内に上場する銘柄のうち、累進的な配当を続ける(減配せず、増配か配当維持を続ける)銘柄の中から、予想配当利回りの高い銘柄を選んだ時価総額ウエート方式の株価指数です。10年以上連続して累進的な配当を続ける銘柄を母集団に、予想配当利回りが高い30銘柄を対象に算出することを入れ替えルールとしています。

累進配当を行う企業は、安定した収益力を持ち、株価も比較的安定している傾向にあります。配当金が減らない、もしくは増加するため、配当利回りが高くなることが期待され、安定した配当金を狙う長期投資家に適した指数だといえるでしょう。

ただ安定した配当を支払う企業でも、市場全体の変動や経済環境の変化には影響を受けます。特に大きな経済危機や市場の大幅な下落がある場合には、株価が大きく影響を受ける可能性がありますのでその点はご注意ください。とはいえ他社と比べて減配リスクは低いと言えるのではないでしょうか。

加えて株主還元を積極化していることが海外投資家による日本株の評価にも繋がっているようで、累進配当銘柄はキャピタルゲイン(売買益)も狙っていけるかもしれません。新NISAも追い風となり、日経累進配当指数のパフォーマンスは足元では好調といえます。

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