はじめに
全世界株、米国株、高配当株を比較すると
全世界株、米国株、高配当株のトータルリターン・リスクを比べると次のようになります。なおここでは、
【全世界株】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
【米国株】バンガードS&P 500 ETF(VOO)
【米国高配当株】バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
のデータを比較しています
VTの連動指数は「FTSE All Global Cap Index」ですが、「MSCI ACWI」とリスク・リターンで大きな差はないので、こちらで代替します。
<トータルリターン・リスクの比較表>※ドルベース(2024年5月20日時点)
モーニングスターの情報をもとに(株)Money&You作成
10年で比較すると、トータルリターンは米国株式>米国高配当株>全世界株式の順に多くなっています。それに対し、リスクは米国株式>全世界株式>米国高配当株となっています。米国株式は相応にリスクも高いのですが、リターンも大きくなっていることがわかります。
<価格の推移(直近5年・2019年5月1日=100)>
Investing.comの情報をもとに(株)Money&You作成
<価格の推移(直近10年・2014年5月1日=100)>
Investing.comの情報をもとに(株)Money&You作成
過去5年・10年のVT・VOO・VYMの値動きを表したグラフも見てみましょう。2019年(2014年)5月1日を100として、そこからの値動きを表しています。
値動きの方向性はどれも似ているのですが、S&P500が一番大きく上下していることがわかります。これは、リターンも高いものの、リスクも高いことを示しています。これに比べれば、全世界株式や米国高配当株のリターンやリスクは控えめではありますが、それでも、5年・10年の値動きは総じて右肩上がりで堅調だったことがわかります。
最後に、全世界株式・米国株式・高配当株の特徴・メリットとリスク・注意点をまとめておきました。
<特徴・メリットとリスクの比較表>
(株)Money&You作成
全世界株式か米国株かという議論もありますね。負けない運用を目指すならば「全世界株」、米国が今後も世界株を上回る成長を続けると思うなら「米国株」でしょうか。どちらも相応にリスクがあることは、ここまで見てきた通りです。
高配当株ファンドのメリットは、定期的に分配金が受け取れるということ。下落相場や暴落中も分配金がもらえるのであれば、市場の回復を待ちやすいメリットがあります。ただし、高配当株ファンドの一部には元本払戻金(特別分配金)を出すものもありますが、そういったファンドは資産形成の観点からは不向きです。高配当株ファンドがどういう場合に分配金が出るのかは商品ごとに異なるので目論見書でしっかり確認しましょう。
「人気」という理由で投資するのではなく、それぞれの特徴・リスクを踏まえた上で、自分にあった投資先に投資をしましょう。
※本記事は投資助言や個別のファンドの売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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