はじめに
新生活のスタート費用を知らなかった相談者
いろいろヒアリングしていくうちに、そもそも相談者は家計の中身を把握していないことが判明。共有の家計、たとえば食費5万円については二人で決めた1カ月あたり5万円という予算を知っているだけで実際はいくらだったのかを知りません。予算の範囲で暮らしが成り立っているのだから問題は無いと考えているのです。
相談者は、同棲開始にあたって必要となったアパートの敷金や家電製品、カーテン代などはすべてパートナーが負担したこと、「車通勤だから重い米や野菜などは僕が買ってくるね」と帰宅時の買い物をかって出てくれたり、最近では弁当も作ってくれるなど、パートナーが頼りになる話もしてくれ、心配は杞憂かもしれないと思えてきました。
アパートの初期費用は家計と同じように収入に応じた負担は求められなかったかと尋ねると、相談者には預貯金がほとんどなかったので、現実的な問題としてパートナーが負担してくれたとのこと。それにしても、パートナーが負担してくれたとの説明があまりにもさらっとしていることが逆に気になります。家賃の3~5カ月分に加えて清掃費用や火災保険料などを負担したはずで、パートナーはずいぶん貯蓄額を減らしたに違いないとお伝えしました。
家電製品も同様です。相談者が希望する最高機能の冷蔵庫は「値段が高すぎて買えない、と断られたけれど、その次くらいの性能のものは買ってくれた、20万円だったかな、いやもう少し安かったかな?」と金額があいまいです。
それにしても、お願いもしていないのに弁当を作るようになったとはどういうことでしょう。とても優しい人、それとも料理が好きな人、ということなのでしょうか。