はじめに

参入障壁が高い7つの業界

主に参入障壁が高い業界は以下が考えられます。

【1】半導体産業
半導体製造には、数十億ドル規模の高額な資本投資が必要です。工場の建設や最新の製造設備の導入には莫大な費用がかかります。また半導体の設計・製造には高度な技術力と専門知識が求められます。研究開発にも多額の投資が必要です。特許や知的財産権の保護が強く、新規参入者は既存の特許を回避するための技術開発が必要です。半導体は今1番ホットなMoatの業界だといえるのではないでしょうか。日本の半導体ETFであるNEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信(NF・日経半導体ETF)[200A]が上場したことも株式市場で話題となっています。

【2】 製薬・バイオテクノロジー産業
まず研究開発コストがかかることが参入障壁となっています。新薬の開発には数十億ドルと10年以上の時間がかかります。臨床試験や規制当局の承認を得るためのプロセスが非常に長く、コストも高いです。また各国の薬事規制は非常に厳しく、製品の安全性と有効性を証明するための膨大なデータが必要です。加えて特許による保護が強く、新規参入者は特許切れのタイミングを狙うか、革新的な技術を開発する必要があります。ただバイオに関しては、いつ結果が出るか分かりにくい部分もあるので、難易度が高い投資と言えるかもしれません。

【3】 航空宇宙産業
こちらも高額な資本投資がまず参入障壁として考えられます。航空機や宇宙機の開発・製造には多額の資本投資が必要です。また、製造施設や試験設備も高価です。また高度な工学技術と専門知識が求められます。エンジニアリングや製造プロセスが非常に複雑です。そして航空機や宇宙機の製造には、厳しい安全規制と認証プロセスがあります。これらをクリアするためには多くのリソースと時間が必要です。

【4】 通信インフラ産業
資本集約型産業であることが参入障壁として考えられます。通信インフラの整備には莫大な資本投資が必要です。特に5Gインフラの整備には大規模な投資が求められます。また規制が厳しいということも参入障壁になります。通信事業には各国の通信規制当局からの認可が必要です。これに加え、周波数帯の割り当てや使用許可などもクリアしなければなりません。そして大手通信事業者が市場を支配しており、新規参入者が競争力を持つのは困難といえるでしょう。

【5】 エネルギー産業
まず高額な資本投資が必要であることが参入障壁と考えられます。発電所やエネルギーインフラの建設には巨額の資金が必要です。特に再生可能エネルギーへの転換には莫大な投資が求められます。環境規制や安全規制が非常に厳しく、これらを遵守するためのコストも高いです。そしてこちらの業界も寡占が参入障壁の一つとなっています。既存の大手エネルギー企業が市場を支配しており、新規参入者は競争力を持つのが難しいです。

【6】 防衛産業
防衛産業は政府との契約が中心であり、政府の認可や厳しい規制が適用されます。防衛産業は市場が閉鎖的であり、既存企業が強い独占状態にあることが多いです。新規参入者が政府契約を獲得するのは難しいです。また高度な技術力と研究開発が求められます。製品の開発には多額の資金と長期間が必要です。

【7】金融サービス産業
金融業界は厳しい規制が適用されており、ライセンス取得やコンプライアンスの維持が必要です。だからこそ大手金融機関が市場を支配しており、新規参入者が競争力を持つのは難しい状況です。また銀行や保険会社などの金融機関は、厳しい資本要件を満たさなければなりません。これも新規参入者にとって大きなハードルです。


参入障壁が高い業界に投資することは、長期的な視点で見て非常に有益であるとされています。競争からの圧力が少ないため、安定した収益を上げ続けることが想定され、これにより、投資家は安定したリターンを期待できそうです。また、長期にわたって市場シェアを維持し、成長期待、株価上昇期待もできるほか、投資リスクの低減にもつながりそうです。

この記事が皆様の投資の参考に少しでもなれば幸いです。

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