はじめに

預貯金と投資の適正バランスは長期視点で見極める

Aさん夫婦の場合、手元にある500万円の預貯金のうち、100万円(金融資産全体の2割)は投資に回すことができることを知り、投資信託で資産運用を始めることを決断できました。そして、さらに5,000万円の目標を達成するために、新たにNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)をそれぞれで毎月2万円ずつ、計4万円/月の積立投資も始めることにしました。

Aさん夫妻は、移住費用を貯めるにはNISAしか選択肢がないと思っていました。しかし、FPからの助言から、iDeCoは掛金が全額所得控除される等の税制メリットがある点や60歳まで引き出せない点がAさん夫妻のニーズに合っていることがわかりました。

ライフプランを作成し、これからどんなことにお金が必要になるのかを長期視点でクリアにしたことで、預貯金と投資資産の適正な資産割合を確認することもできました。シミュレーションの結果、64歳時に5,000万円の目標を達成することがわかり(NISA、iDeCo共に年リターン5%での運用実績の場合)、安心して資産運用を始めることができそうです。

2024年に入って新NISAが話題となり、資産形成の選択肢がNISA一辺倒になりがちです。しかし、企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)、個人年金保険など選択肢は他にもあります。実現したいライフイベントや手元にある預貯金の額によって、適した選択肢も、預貯金と資産運用の適正バランスも異なります。資産運用を始めるなら、まずはその目的を明確にし、家計のお金を色分けして必要な預貯金を把握することから始めましょう。納得感・安心感を持って資産運用をスタートできれば、理想とするライフイベントの実現可能性が高まります。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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