はじめに

売却や手続きには余裕を持って

国税庁では1年以上日本に居住しない者を「非居住者」と定義づけており、今後1年以上の海外留学等で「非居住者」に該当する場合、原則として出国後、日本の証券会社での新たなお取引はできなくなります。

なぜなら、日本の証券会社は基本的に国外での金融商品取引業務を行う資格を持っていないため、海外から取引をすると出国先の法令に抵触する可能性があるからです。中には証券口座自体を解約しなければならないケースもありますが、一部の証券会社では一般口座にて保有と売却のみできるケースもあります。

その場合も、NISA口座、ジュニアNISA口座、特定口座は廃止しなくてはなりません。一方で、辞令による転勤など、一部のやむを得ない事情の場合、5年以内であればNISA口座を継続することができる証券会社もあります。

今回のご相談者様のように海外留学をするのであれば、NISA口座、ジュニアNISA口座、特定口座がある場合は留学に行くまでに廃止しなければなりません。売却手続き及び口座の廃止手続きには時間を要するため、できれば出国の半年前には手続きを始めていきたいところです。金融機関によって「非居住者」に対する対応が異なる上に、解約や移住に関しての手続きが必要になるケースがほとんどです。

口座の解約が必要な場合は、移住前に保有商品を売却後、口座閉鎖の手続きをする必要があります。口座を継続する場合も、出国前に書類の提出や取引代理人の選任など所定の手続きが必要となってきます。

海外移住までの時間も無駄にしない

海外移住までに数年ある場合、その期間だからこそできる資産形成にも目を向けてみましょう。

今回の記事では親子留学の資産運用に絞ってお伝えしましたが、実際留学に行くとなると現地の情報収集やビザの取得など事前に考えておくべきことはお金以外にも多岐に渡ります。円安が進む今、親子留学を夢で終わらせないためにも資金面や生活面など様々な視点から、着実に準備を進めていきたいですね。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。