はじめに

40代独身男性は、貯蓄を1カ月6万5133円

実際、40代独身男性はどのようなことにお金を使っているのでしょうか。NTTコム リサーチ調査結果によれば、40代独身男性は貯蓄を1カ月6万5133円しているという結果でした。

この調査は、2018年6月25~26日にインターネットを通じて男女2006名を対象に行われた、「消費者の自由裁量所得と使途の状況に関する調査」です。自由裁量所得、つまりお小遣いのことですが、全般的に独身のほうが同居者のいる人よりもお金を使っています。
そして、貯蓄は月2万円ほど多くしていました

貯蓄は、目的ごとに貯めておくと計画的に使うことができます。たとえば、年に一度の海外旅行、自動車の買い替え、老後資金といった目的があるなら、まとめて貯めているのはあまり効果的とは言えません。

旅行は1年以内、自動車は数年後、老後資金は20年くらい先に使う資金ですから、貯める方法も変えておくほうがいいでしょう。貯蓄をまとめておくと、「貯蓄ならできている」と安心していても実は老後資金は足りなかった、という結果になりかねません。

貯め方の例を挙げてみましょう。

・旅行資金は、旅行会社の旅行積立を利用する。旅行積立は現金化ができないので、旅行資金限定で使える分だけを貯めていく。
→旅行は生活必需品とは言えませんので、無理なく貯める方針にしましょう。

・自動車の買い替え資金は、投資信託で運用する。資金を大きく増やせたら自動車のグレードを上げられる。
→自動車が必要な暮らしもありますが、グレードや装備のオプションはプラスαの経費。ならば、「投資がうまくいったら」という方針もまた資産運用の楽しみになるでしょう。

・老後資金はiDeCo(=イデコ、個人型確定拠出年金)を利用する。掛け金は月5000円からで、全額所得控除になるので節税にもなる。
→老後資金は必要な資金。着実に貯めることと、ハイリスクハイリターンの運用よりも、堅実な運用することが肝心です。

40代は、親の介護に直面する人も増えてきます。いざという時に慌てないよう、資金の準備とともに、今後のライフプランを考えておきましょう。

40代独身男性の生活費は、1カ月平均いくら?

総務省の「2019年全国消費実態調査」によると、40代の男性単身者の1カ月平均の消費支出は約18万円です。

そのうち、東京等の首都圏では家賃が大きな支出になります。公益財団法人不動産流通推進センターがまとめた「2023不動産統計表」によれば、東京の賃貸マンションの家賃相場は上昇傾向にあり、2023年9月の調査では、ワンルームの家賃平均は7万6765円(6万5754円~8万7269円)、1LDK~2DKの家賃平均は8万8171円(7万6069円~10万2194円)となっています。

家賃7~9万円ほどであれば、手取り収入の25%以内におさまり無理なく支払える範囲でしょう。1カ月の消費支出を、両調査をもとにして考えてみます。

月によって多少の増減はあっても、1カ月の消費支出が18万円とすると、およそこのような支出になるのではないでしょうか。

そして、支出には実支出以外の支出もあります。たとえば、預貯金預け入れ、投資、資産購入、借金返済など、手元から現金が支出されるものの、資産の増加あるいは負債の減少になっているものです。

このような支出ですと、消費支出と実支出以外の支出を合計して月30万5000円です。月の手取りが40~44歳男性で約35万1000円ですから4万6000円、45~49歳で約37万5000円なので、7万円の黒字です。家計では「そんなに黒字になっていない」という場合は、消費支出で多くなっている項目がないか、あるいは実支出以外の支出である生命保険の保険料や、ローン返済の金額を改めて確認してみましょう。

黒字部分は投資信託などによる資産運用を検討してみましょう。2024年から新しくなった新NISAは、運用益が非課税です。新制度では、投資枠が大幅に増額され、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠が年間240万円。しかも非課税期間が恒久化されています。

老後資金を増やしたいならiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)もいいでしょう。掛け金が全額所得控除になるので節税になりますし、運用益は非課税です。ただし、60歳まで資金の引き出しはできませんので、掛け金の設定は慎重にしましょう。

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