はじめに

介護保険に入るなら年金か一時金か

厚生労働省の介護保険事業状況報告月報によると、2000年4月時点の要介護認定者数は約189.1万人、2020年4月時点の要介護認定者は約481.6万人と、20年で約2.5倍に増加しています。85歳以上になると約2人に1人が要支援・要介護認定を受けています。

がんも2人に1人が罹患すると言われる病気です。生命保険文化センターの全国実態調査によると、民間のがん保険やがん特約の加入率は約40%。それに比べ、民間の介護保険の加入率はわずか10%程度です。2人に1人が介護保険制度のお世話になる可能性があるわけですから、自己負担分をカバーし、さらに、自己負担分を超過するサービスや、施設の介護費、食事代などに困らないよう、民間の介護保険は必要ではないでしょうか。

民間の介護保険は要介護2または要介護1に認定されると契約の保険金を払う仕組みです。公的介護保険と違うところは、20歳という若い年齢から加入できるところです。介護というと高齢というイメージがありますが、脳血管疾患などで麻痺が残り、介護状態になってしまう可能性は若年でも充分あります。若年で介護状態になった場合でも、介護サービスの負担は必要です。確率は少ないかもしれませんが、公的介護制度の対象外だからこそ、民間の保険が役に立ちます。また、介護保険では、介護保険金を支払う状態になったら、以降の保険料は不要という、払込免除が基本に組込まれているので、万一の場合保険料の心配がいりません。

契約のパターンは、認定されたら一時金を受取る方法と毎年同じ時期に年金として受取る方法があります。生命保険文化センターの生命保険に関する全国実態調査によると、2021年度の介護費用(一時的にかかった費用)の平均は約74万円、毎月払った費用(在宅・施設介護いずれも含めた)の平均は8.3万円です。このデータから、介護状態になって環境を整えるために、一時的にまとまったお金が必要になり、その後、毎月介護が続く限り費用がかかり続けることがわかります。

介護のために一時金としてまとまった金額を受取るのもひとつの方法ですが、どこかで枯渇してしまう恐れもありますので、毎年年金として受取る方法にプラスして、当初介護一時金を受取ることができるという契約が望ましいでしょう。

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