はじめに

病気やケガは高額療養費があれば大丈夫?

一人暮らしの場合、もし突然病気やケガをしたらどうしよう?手術や入院をすることになったら?と健康面で不安を感じることがあるかもしれません。治療費や入院費も独身の方が考えておきたいリスクです。病院への交通費、入院に必要なものを揃える費用、入院中の収入減への対応なども自分で備えなくてはなりません。

病気やケガになった時の公的保障

公的医療保険では、病気やケガで医療機関にかかった場合、病院や薬局の窓口で支払う医療費の自己負担は原則3割です。

また、公的医療保険には「高額療養費制度」があるため、同一月にかかった医療費について、自己負担限度額を超えた部分が払い戻されます。そのため、自己負担額は一般的に一カ月4万円〜9万円程度に抑えられます(※ただし、所得により自己負担限度額は異なります)。

ただし、「高額療養費」に含まれるのは、保険適用の医療費のみです。たとえば、先進医療による治療の費用、個室などに入院した場合の差額ベッド代、入院中の食事代や日用品代などは健康保険適用外になります。

公的保障でカバーできない部分を補うなら

入院をすることになったら、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。生命保険文化センターの「4年度 生活保障に関する調査」によると、入院時の自己負担費用の平均は19万8,000円、10~20万円未満が33.7%と最も多くなっています。

また、入院時の自己負担費用の1日あたりの平均は2万700円、1万円~1万5,000円未満が23.3%で最も多くなっています。

入院中の自己負担分をカバーできる貯蓄がない場合、最低限の医療保険に入っておくことが有効な選択肢です。医療保険は、入院した日数に応じて、契約時に決めた日額給付金を受け取れるものが一般的です。上記のデータから、入院給付金日額1万円~2万円を目安に設定してみましょう。

また、特に年齢に比例して罹患率の増えるがんへの備えを手厚くしたい場合は、医療保険にがん特約をつけて備える、がん専用の保険で備えるといった方法が考えられます。

必要な保障の優先順位をつける

保険ですべてのリスクをカバーすることはできません。「絶対に備えるべきリスク」と「備えられると安心なリスク」に分け、必要な保障の優先順位を決めましょう。

冒頭でご紹介したお2人も、ご自身にとって備えるべきリスクについて見直し、必要な保障に優先順位をつけました。その結果、加入していた保険を解約し、新たに医療保険に入り直すことになりました。今まで支払っていた保険料との差額を貯蓄にまわせるようになり、Aさんは月々の貯蓄額を2万円、Bさんは9,000円アップすることができました。

独身の方がリスクに備えるためには、必要な保障に優先順位をつけること、ご自身が受けられる公的保障や貯蓄を確認することからはじめましょう。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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