はじめに

分配金ランキングで投資信託を選んではダメ

分配金が、前決算日の翌営業日から今決算日までの運用で得られた運用収益と、内部留保によって構成されていることは、ご理解いただけたかと思います。

では、もし決算日までに運用収益がまったく得られていない場合は、どうなるでしょうか。

もちろん、分配をしないという手はあります。運用収益が得られていない、もしくは運用に失敗して、ポートフォリオの評価額が前決算日に比べて値下がりしているのであれば、「今期はポートフォリオに損失が生じたので分配金の支払いは見送らせていただきます」とするのが、妥当なところでしょう。

でも、そうしないケースもあります。なぜなら、前述した内部留保を活用すれば、運用収益が得られなかった期であったとしても、分配金を支払うことができるからです。

だとすると、分配金の額は運用成績の良し悪しと、必ずしも一致しないことになります。

時々、インターネットの投信情報サイトなどで、「投資信託の分配利回りランキング」といったものが掲載されていますが、この利回りの高低だけで購入する投資信託を選んでも、高いリターンで運用できるとは限りません。投資信託を選ぶに際して、分配金額の多寡は、優れた運用を行っているかどうかの判断基準にはならない、と考えておくべきでしょう。

新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。