はじめに
今年8月2日(金)、5日(月)、6日(火)の3日間は日経平均株価が合計で7,643円(-19.5%)も下落し、売りが売りを呼ぶ展開となりました。特に8月5日はマイナス4,451円で、1987年10月20日に記録したブラックマンデー時のマイナス3,836円を塗り替えました。日経平均、TOPIXとも下落幅は史上1位でした。
しかし9月18日に発表された日本証券業協会の「2024年8月初旬の相場急変局面における NISAの動向(証券会社10社対象調査)」によると、証券会社10社のNISAにおける上場株式(ETF、REIT含む)の売買は、この3日間の合計売却額は862億円、買付額は1,948億円でした。
3日間とも買付額が上回った
内訳をみると
8月2日売却:175億円、買付:578億円
8月5日売却:450億円、買付:881億円
8月6日売却:237億円、買付:489億円
いずれも売却額より、買付額が上回っています。
NISAにおける上場株式の売却額のみを見ると、相場急変局面(8月2日~6日)のいずれの日においても、前月末残高の約0.8%以下にとどまっています。
NISA残高 (7月31日の残高:3兆6,325億円)に占める 売却額の割合
8月2日:0.3%(116億円)
8月5日:0.8%(301億円)
8月6日:0.4%(152億円)
※ 証券会社10社(大手5社・ネット5社)のうち計数可能6社のデータまとめ
上場株式の売却額(取引所市場に占める割合)では NISAにおける上場株式の売却額は、相場急変局面(8月5日~9日)においても、取引所市場全体における売却額の約0.2%で、平時(7月1日~26日:約0.2%)と同様の水準です。
取引所市場全体における 売却(上場株式のみ)
・7/1~7/26 1営業日 あたり50,505億円
・8/5~8/9 1営業日 あたり78,447億円
NISAにおける売却額(上場株式・ETF・REIT)
・7/1~7/26 1営業日 あたり 103億円
・8/5~8/9 1営業日 あたり183億円
NISAが占める割合
・7/1~7/26 1営業日 あたり0.2%
・8/5~8/9 1営業日 あたり0.2%
※ 証券会社10社(大手5社・ネット5社)のうち計数可能9社のデータまとめ
これらの結果から市場が大きく下落している場面において、売却は通常どおりでNISAによる個人投資家の買い意欲が大きく目立っていることが分かります。