はじめに
2025年の下半期は家計を整える大切な時期です。年初に立てた貯蓄や家計計画を振り返ったとき、「予定通りに進んでいる!」という方もいれば、「計画からずれてしまった…」という方もいるかもしれません。特に7月以降は、夏休みやシルバーウイークなどイベントが多く、出費が増えがちな時期。先々のことをイメージして、月ごとに使う金額をしっかり予算立てしておくことが重要です。
この記事では、後半の家計管理に役立つポイントをわかりやすくまとめました。
下上半期(7月~12月)のお金のイベントを一覧表で確認してみましょう。
2025年7~12月までのイベントをカレンダーにまとめました。
画像:筆者作成
なお、税制改正大綱は現時点では案であり、国会で審議されたのちに法制化されます。上記から変更に可能性があることを踏まえて、お読みください。
9月に社会保険料の改定があり、10月の給与から反映
給与から天引きされる社会保険には、健康保険、厚生年金保険、介護保険(40歳以上の方のみ対象)、雇用保険の4つがあります。このうち、健康保険、厚生年金保険、介護保険は、毎年7月に「定時決定」があります。
定時決定というのは、直近の4月・5月・6月の給与や各種手当をもとに「標準報酬月額」を計算し、「算定基礎届」を年金事務所または健康保険組合へ提出することです。
これにより決定した社会保険料は9月1日から適用され、10月支給の給与から反映されます。
もし、4~6月が繁忙期で残業代が多く支払われていれば、その間給与としての支給が増えますが、標準報酬月額の等級も上がります。結果、控除される社会保険料が多くなり、手取りが減る可能性があります。標準報酬月額に含める報酬には、残業代以外に通勤手当、住宅手当、家族手当、役職手当、資格手当などが含まれます。
仮に、子どもが生まれて家族手当が増えた、引っ越しなどで通勤手当が増えたなどがあれば、社会保険料が上がる要因となります。
社会保険料の負担が上がったことは「損」と思うかもしれませんが、これにはメリットもあります。
たとえば、将来受け取る厚生年金の額が増えるほか、病気やケガで仕事を休む際の「傷病手当金」も高くなる可能性があります。このように社会保険料は、将来の保障やセーフティーネットとして役立つ仕組みです。
11月は年末調整に向けての準備
11月になると、1年間に納めるべき所得税と仮に引かれていた税金の差額を調整する「年末調整」の準備が始まります。勤務先から必要な書類の提出を求められるので、早めに準備を進めておくと安心です。必要となる書類と準備物は次のとおりです。
① 扶養控除等(異動)申告書
扶養者控除や障害者控除など、税金の控除を受けるための申告書です。扶養家族がいる場合に記入します。
② 保険料控除申告書と控除証明書
生命保険、地震保険、社会保険などの保険料を支払っている場合、控除を受けるための申告書と証明書が必要です。忘れがちなのが、親が子どもの国民年金保険料を支払った場合です。もし、子どもと「生計を一にしている」のであれば、その支払った全額が社会保険料控除の対象になります。
<準備するもの>
・加入している生命保険や地震保険の「控除証明書」
・iDeCo(イデコ)加入者は「小規模企業共済掛金等控除証明書」
③ 給与所得者の配偶者控除等申告書
配偶者控除を受ける場合に必要な書類です。扶養している配偶者がいる人が対象になります。
④ 住宅借入金等特別控除申告書
住宅ローンを利用してマイホームを購入し、要件を満たしている場合に提出します。初めて住宅ローン控除を申請する際は確定申告が必要です。年末調整に含まれるのは2年目以降です。
<準備するもの>
・住宅ローンの「年末残高等証明書」
年末調整でより多くの所得税が還付されるためには、必要書類を早い段階から整理しておくことが大切です。9月下旬ごろから必要書類が手元に届くことが多いので、見落としがないよう余裕を持って確認しましょう。