はじめに

今年も1カ月が経過しましたね。1月のダウ平均は月間で約2000ドル高と大きく上昇しました。トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任したことがやはり大きなトピックでした。就任演説で米国の「黄金時代」が始まるとしており、貿易関税を含めて自国の利益を優先させる考えを示しました。

また1月21日にトランプ米大統領は、「スターゲート」プロジェクトへの支援を発表。このプロジェクトは、オラクルとオープンAI、ソフトバンクグループ(9984)提携してAI開発を行うというもの。最大5000億ドル規模(初期投資は1000億ドル)というう巨額の投資計画が発表され、関連銘柄も活況でした。


“DeepSeekショック”や“トランプ関税”で揺れる株価

ただその後すぐに“DeepSeekショック”が。中国企業が開発した生成AIであるDeepSeekは従来に比べて少ない数の半導体で開発を成し遂げたと述べており、コスト面や反応速度や論理性の高さで米国の競合を上回るのではと推察されています。アメリカの株高を牽引する要因となっている米大型ハイテク株の脅威となり、競争激化につながるとの懸念から関連銘柄が急落。NVIDIA株は約17%の下落で時価総額が1日で90兆円減ったこともニュースとなりました。

また2月1日にトランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名したこともニュースになりましたね。アメリカに流入する不法移民や薬物流入への対抗措置だとしていますが、メキシコに対する関税を1カ月延期、カナダのトルドー首相も米関税の発動が少なくとも30日間延期されると発表した一方で中国への関税は発動するなど、アメリカの関税政策の変更で市場は動きました。

貿易関税の懸念を受けて2月3日の東京株式市場で日経平均株価は週明けから急落。一時1000円以上と大幅に値下がりし、節目の3万9000円を割り込みました。その後も今週は貿易関税のニュースに右往左往させられています。

このように、2024年に続き2025年の株式市場はこれまで以上に値動きの激しい展開が予想されます。主な要因としてトランプ大統領の影響、米国の金融政策の変化、また世界の分断や世界経済の不確実性、地政学リスク、テクノロジーの進化などが挙げられます。

リスクとチャンスがある環境

このような状況下で株式投資を行う際に理解しておくべき重要な概念の一つが「ボラティリティ(Volatility)」です。ボラティリティとは、株価の変動率を示す指標であり、ボラティリティが高いと値動きが大きく、低いと値動きが小さいことを意味します。なお、ボラティリティが高いことを「ボラタイル」と言います。

値動きが激しい市場環境では、「大きな利益を得るチャンスがある一方で、大きな損失を被るリスクも高まる」という特徴があります。したがって、投資初心者にとっては、単に「ボラティリティが高い=危険」と考えるのではなく、適切な知識と戦略を持って市場に臨むことが重要です。

ここからは、ボラティリティの基本概念、値動きが激しい市場で気をつけるべきポイント、短期売買や押し目買いのチャンス、キャッシュポジション(現金比率)の重要性、そして精神的なマインドセットについてお伝えしていきます。

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