はじめに
家族の分も合算し、一番所得が多い人が申告しよう
自分1人だけの医療費だと医療費控除・セルフメディケーション税制は使えそうにないという方もいるかもしれません。しかし、医療費控除もセルフメディケーション税制も、生計を一にする家族の分もまとめて申告できます。ですから、家族全員分の医療費のレシート・領収書を集めて確定申告するのがおすすめです。
また、医療費控除・セルフメディケーション税制は、家族の中で一番所得税率が高い人が申請すると、税額を多く減らせます。
たとえば、生計を一にする2人家族の1年間の医療費を合算したところ、20万円の医療費控除が受けられるとします。このとき、家族の所得税率が
・夫 20%
・妻 10%
だったとします(住民税率は所得税率に関わらず一律10%)。
このとき、20万円の医療費控除によって減らせる税額は、
夫:所得税20万円×20%=4万円、住民税20万円×10%=2万円 計6万円
妻:所得税20万円×10%=2万円、住民税20万円×10%=2万円 計4万円
となり、夫が確定申告した方が節税できることがわかります。
これまで医療費控除・セルフメディケーション税制を利用したことがないというのであれば、ぜひ活用して税金を減らしましょう。
「昔の医療費控除・セルフメディケーション税制の手続きをしていなかった」という場合でも、「還付申告」をすることで税金を取り戻せます。
還付申告の期限は、対象となる年の翌年1月1日から5年間です。過去5年分を確認して「確定申告をし忘れていた」「控除が漏れていた」ということがあれば、忘れずに還付申告をして税金を取り戻しましょう。