はじめに
「省エネ=我慢・不便・大変」のようなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか?しかし、思い込みを外して少し視点を変えるだけで、無理なく楽しく省エネを実践することができます。
1年で最も冷え込み、エネルギーの消費量が多い月である毎年2月は「省エネルギー月間」と定められています。この機会に、お客様や筆者が実践してきた省エネ方法についてご紹介します。
思い込みを外せば、省エネはもっと楽しくなる!
2025年1月から3月にかけて、電気・ガス料金負担軽減支援事業による電気代・ガス代の補助金が支給され、使用量に応じて値引きをされています。それでも、光熱費や物価の上昇を実感し、家計への負担が増えていると感じる方も多いのではないでしょうか。
「光熱費は減らしたいけど、寒い中エアコンをつけずに我慢するのはつらい」「無理な節約はしたくない」と思う方もいるでしょう。
そもそも、省エネは何のためにするのでしょうか? もちろん家計の節約に役立つ一面もありますが、本来、省エネとは「家計にも地球にも優しい、一石二鳥の取り組み」です。限りある資源を大切にすることは、私たちみんなが取り組むべき課題ともいえます。
今回は、お客様や筆者の事例を交えながら、楽しく無理なく続けられる省エネの方法をご紹介します。「思い込み」を外しながら、ご自身に合った省エネ方法を探してみましょう。
【思い込み①】「毎日お風呂の湯船につかるのが当たり前」
1人目のお客様は「毎日湯船にお湯を溜めて、浸からなくてはならない」といった思い込みがありました。
ところが、お話を伺うと、幼少期からお風呂があまり好きではなく、さらにお子様もお風呂を嫌がるため、毎日のお風呂が大変な負担になっていたそうです。実際には、湯船には浸からない日も多く、結局そのままお湯を捨ててしまい、自己嫌悪に陥ることもたびたびありました。
そこで、「お好きではないのであれば、毎日お風呂につかる必要はないのでは?」とお伝えしたところ、思い込みが外れ、2日に1回、シャワーだけで済ませる方法に変えられました。その結果、月々のガスの使用料が5.2㎥から2.3㎥に減少。契約プランの見直し(月額1,000円)と合わせて52.45%(約3000円)削減されたそうです。
さらに、「毎日お風呂に入らなければ」のプレッシャーがなくなり、浴槽掃除の手間も減り、子供への声掛けの負担も軽くなったことで、心の余裕まで手に入れることができました。
【思い込み②】「省エネは自分だけが頑張るもの」
2人目のお客様は、電気代が上がっていることが気になるものの、「家族は省エネに協力してくれないだろう」といった思い込みがありました。
そこで、「家族全員で楽しみながら取り組む方法を考えてみては?」と提案しました。お子様たちが日頃からゲームを楽しんでいるとのことだったので、まず過去1年間の電気使用量と電気代をグラフにして、家の壁に張り出しました。目標を決め、達成時にはみんなが喜ぶご褒美も用意して、1ヶ月の「節電チャレンジ」をはじめました。
お子様たちも「電気を消さなきゃ!」「今は寒くないからエアコンを切ろう」と積極的にゲーム感覚で楽しみ、一か月で約500円電気代を削減することができました。たった500円でも1年間で6000円、10年間で6万円の差に繋がります。
さらに、トイレや洗面台の電気をつけっぱなしにすることがなくなり、自然と節電習慣が身に付き、お子様たちに「電気を消して」と指摘するストレスも減ったとのことでした。お子様たちは電力やエネルギーについて興味を持ちはじめ、科学館へ行く計画も立てているそうです。