はじめに

ゲーム事業が売上の約4割

もともとDeNAは、ソーシャルゲームプラットフォーム「モバゲータウン」で頭角を現しました。2010年には拡大するスマホゲーム市場へ転換を進め、2011年には、上場来高値となる株価4,330円をつけています。

しかし、その後、ソーシャルゲームの成長鈍化とともに、株価は低迷。2020年以降の株価は、ほとんどの期間2,000円以下に潜っており、株式市場でもあまり話題になることはありませんでした。そんな折に訪れた「ポケポケ」の大ヒットは、当社の未来を大きく変えるかもしれません。

現在のDeNAは、ゲーム事業、ライブストリーミング事業、スポーツ事業、ヘルスケア・メディカル事業、新規事業の5つの事業部で構成されています。直近の決算における事業部別の売上比率は以下の通り。

ゲーム事業: 43.2%(505.8億円)
ライブストリーミング事業: 26.4%(309.3億円)
スポーツ事業: 22.6%(264.5億円)
ヘルスケア・メディカル事業: 5.5%(64.5億円)
新規事業・その他: 2.2%(25.5億円)

特にゲーム事業が売上の約4割を占めており、ライブストリーミングとスポーツ事業も大きな割合を占めています。それに対して営業利益比率は、

ゲーム事業: 98.4%(210.2億円)
ライブストリーミング事業: -1.8%(-3.76億円)
スポーツ事業: 23.6%(50.4億円)
ヘルスケア・メディカル事業: -16.6%(-35.45億円)
新規事業・その他: -3.6%(-7.76億円)

なんとゲーム事業が営業利益のほとんどを稼いでいることが分かります。言い換えると、当社の未来は、ポケポケ頼みで、むしろそれ以外の事業部が足を引っ張る可能性があるのです。

気になるポイントは、「Pococha(ポコチャ)」や「IRIAM(イリアム)」といったライブ配信事業は、ここ数年でDeNAの主要事業のひとつとなっていたにもかかわらず、前年同期比で売上収益が5%減少しています。

一方で、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」を運営するスポーツ事業は好調。2024年シーズンでは、主催試合の観客動員数が球団史上最多の236万人を記録し、「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」および「SMBC日本シリーズ2024」での優勝も追い風となっています。

ちなみに「横浜DeNAベイスターズ」は、現会長である南場智子氏が2011年に「横浜ベイスターズ」を買収して改名されています。南場氏は、赤字体質だった球団の改革に取り組み、データ活用やファンサービス強化を推進し、2021年には、女性初のプロ野球球団のオーナーに就任。

「経営はスポーツに似ている。絶対に勝ちたいと思わないと、勝てない」と、スポーツとビジネスの経営哲学について発言しています。

話を戻すと、このようにDeNAは現在、ゲーム事業の大ヒットに支えられつつ、スポーツ事業の安定成長も期待される状況にあります。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]