はじめに

超積極的にリターンを狙うなら「米国テック株集中型」

オルカンやS&P500のパフォーマンスでは物足りないと考えている場合は、米国テック株集中型ファンドに投資する手があります。

米国テック株系の株価指数には「NASDAQ100」「SOX」「NYSE FANG+」などがあります。NASDAQ100はナスダック証券取引所に上場銘柄のうち、金融業を除く時価総額上位100社で構成された株価指数。低コストファンドには「楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド」[信託報酬:年0.198%]や「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」[信託報酬:年0.2035%] などがあります。

SOXは「フィラデルフィア半導体株指数」といって、インテルやエヌビディア、台湾のTSMCなど主要な半導体関連30銘柄が組み入れられています。低コストファンドには「楽天・SOXインデックス・ファンド」[信託報酬:年0.176%]や「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」[信託報酬:年0.1815%]があります。

NYSE FANG+はフェイスブック・アマゾン・ネットフリックス・グーグルの頭文字からなる「FANG」4銘柄と、アップルなど6銘柄を加えた10銘柄で構成された株価指数です。「iFreeNEXT FANG+インデックス」[信託報酬:年0.7755%]がありますが、投資する銘柄数が少ないのにコストがやや高いのが難点です。

また一時期「インド株」ブームになりました。インド株の代表的な株価指数には「Nifty 50指数」があります。インドのナショナル証券取引所に上場している代表的な50社の株式で構成されています。低コストファンドには「iFreeNEXTインド株インデックス」[信託報酬:年0.473%]などがあります。

実際のETFでリスク・リターンを比較したのが下表です。

<リスク・リターンの比較表(ドルベース)>

各種データを元に(株)Money&You作成

5年(年率)のトータルリターンで比べると、Nifty 50<MSCI ACWI<S&P500<NASDAQ100<半導体株価指数<NYSE FANG+の順に高くなっていることがわかります。

半導体株価指数は直近3年を見ると、リターンはS&P500よりも劣っているにも関わらず、リスクがかなり大きくイマイチだとわかります。リスク効率を見ると、S&P500、NASDAQ100、NYSE FANG+は良くて、インド株は正直微妙なところです。

実際の値動きがどうなっていたのかもグラフで確認してみましょう。2024年1月2日を100として、指数化して表示しています。

<MSCI ACWI・S&P500・NASDAQ100・半導体株価指数・NYSE FANG+・Nifty 50の推移>

各種データを元に(株)Money&You作成

目立ってわかるのが、半導体株価指数とNYSE FANG+の値動きが激しいことです。NYSE FANG+に関しては、2024年10月以降大きく右肩上がりを続けていることも面白いですね。MSCI ACWIやS&P500のパフォーマンスを引き上げているのは、Google、Apple、Meta Platforms(旧Facebook)、Amazon、Microsoft、TESLA、NVIDIAの7社「マグニフィセント・セブン」が主要因であることがわかります。

なお、過去のパフォーマンスが将来の保証・予測をするものではありません。

直近、半導体株価指数とNifty 50はパフォーマンスが伸び悩んでいる点に注目です。NYSE FANG+も同様の傾向になる可能性もあります。投資をする際は、集中投資している分リスクは相応に高く、値動きも荒いファンドである事実を忘れずに。

オルカンに加えて米国テック株集中型に投資する際は、より米国株偏重になることは留意してください。オルカンには米国株がすでに6割組み入れられています。

ところで、先ほどの「15年以上保有すれば元本割れリスクが減る」という分析は「広く分散された株価指数」の話です。集中投資型の株価指数はこの限りではないことに注意が必要です。

投資中上級者への一歩として、1株からの個別株投資にチャレンジ

日本では、株は通常100株単位の「単元株」で売買されますが、最近では各証券会社が単元未満株取引サービスを展開していて、新NISAでも1株から投資が可能です。

単元未満株も、値動きによる価格変動は単元株と同様です。購入時の株価よりも値上がりしていれば利益、値下がりしていれば損失が生じます。

配当金は、保有している株式数に応じて配分されます。たとえば、1株あたり50円の配当金がもらえる銘柄を単元株(100株)で持っていれば5000円、単元未満株(1株)持っていれば50円、端株(0.2株)持っていれば10円もらえます。

株主優待の多くは「単元株から」となっていますが、1株からでも株主優待を実施している企業もあります。例えば、ダイドーグループホールディングス(2590)ならグループ企業の飲料やゼリーなどが10〜25%の割引で購入可能。日本ケミファ(4539)は、ハンドクリーム、基礎化粧品、など自社ヘルスケア商品が30〜60%割引になります。上新電機(8173)では、株主優待券(200円)が25枚計5000円分もらえます。

高配当株で有名なNTTやKDDIなどは株主優待も充実しています。NTTは100株以上保有、2年以上継続保有で1500ポイントのdポイントがもらえます。KDDIは100株以上保有、1年以上継続保有で2000円相当のサービス特典(Pontaポイントや各種デジタルサービスを利用できる特典の中から一つを選択)が受けられます。配当と株主優待を合わせた「実質利回り」が10%を超える銘柄もあるので、株主優待を軽くみてはいけません。

もらった配当も再投資して、株数を早く積み上げていくことを考えると、高配当株・連続増配株・累進配当株に投資するのが一案です。株主優待が充実しているなら、なお良しです。

ただし、配当利回りの高さ、連続増配年数、優待内容だけを見て飛びついてしまうと資産を減らす可能性が高くなります。業績は好調なのか、財務は健全なのかは必ず確認を。

本稿が投資行動の参考になれば幸いです。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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