はじめに

なぜ個人投資家を増やしたいのか?

これだけ着実に成長気流に乗り、時価総額も1兆、2兆、遠からず3兆へと膨らむ中、個人投資家の割合を増やしたいと願うには、人気株ゆえの理由があります。

じつは、当社は、2024年1年で、3回もストップ高となりました。時価総額が一兆円を超える大型株が、ストップ高のような激しい値動きを短期間に繰り返すのは非常に珍しいことです。

その理由として考えられるのは、想定を超える業績改善と成長戦略のサプライズによって、短期的に買いが集中したことです。短期売買が増えると、受給のバランスが崩れやすく、ボラティリティが高くなります。さらに近年は、AIやアルゴリズム取引が活発で、ポジティブなIRニュースや業績情報が出ると自動的に大量の買い注文が入り、株価が短期的に大きく動くことがあります。

株価の上昇はうれしいことですが、ボラティリティが高く不安定だと、長期の資金調達が難しくなります。できれば安定した長期の投資家を増やし、緩やかに株価が上昇することが理想です。

現在、アシックスの個人投資家比率は、10%前半と低く、これを20%程度まで引き上げたい意向のようです。実際、個人投資家比率を高めるために、具体的な行動を起こしています。

2024年7月には、1株を4株に株式分割を行い、個人投資家が参入しやすい株価となりました。また、分割後の実質配当金を増額、さらに株主優待も拡充しています。

同時に、政策保有株の全売却を実施し、流動性を高め、個人投資家の取り込みを加速しています。2025年には、個人投資家向けの説明会を全国各地で行う予定で、当社に対する興味関心を喚起し、投資意欲を引き出す取り組みを行います。すでに、第1回目は、那覇で開催され、180名ほどの方が参加し大盛況だったとのこと。

じつは、このように時価総額の大きな企業が、個人投資家を意識する流れは徐々に大きくなりつつあります。直近では、時価総額が日本で1番大きいトヨタ自動車が、なんと初の優待新設を発表し、株式市場が湧き立ちました。個人投資家ひとりひとりの力は小さいけれど、腰を据えた長期投資の個人投資家比率が増えることで、企業価値が高まり、安定した株価成長が見込めると、多くの企業が感じているのでしょう。

アシックスに話を戻すと、個人的には、オニツカタイガーの欧州進出に注目しています。2025年の3月には、バルセロナの高級ショッピングエリア「グラシア通り」に、7月には、パリのシャンゼリゼ通りにフラッグシップショップをオープン予定です。世界トップレベルのラブジュアリーブランドへの足掛かりとなるか要注目。偶然にも、2025年の夏から秋にかけて、バルセロナ、パリと旅行予定ですので、フラッグシップショップを訪れて現地での反応を確かめたいと思います。

アシックスは、優待銘柄として名前が上がることはあまりないのですが、じつはとても充実しています。100株以上保有で25%割引の電子チケット10枚、1年以上だと30%割引の電子チケット10枚、1,200株以上を3年以上保有すると、なんと40%割引の電子チケットが10枚もらえます。少しずつ長い時間をかけて、買い増ししていく楽しみにもなりそうです。

優等生すぎて、なかなか株価が大きく調整してくれないのですが、根気よくウォッチして、コツコツ仕込んでいきたいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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