はじめに

新NISAも追い風となって投資信託市場では新しい投資信託(ファンド)が次々と設定されていますね。

投資家にとって魅力的な選択肢が増えることにもつながります。しかし、「新設投資信託は本当に投資すべきなのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。今回は新しく設定された投資信託を知っておく意義について解説します。


新投資信託のメリット

まずは早期に知っておくことで先行者利益を得られる可能性があること、既存の投資信託と比較してより良い選択肢を見つけられるというメリットも。

新しい投資信託は、過去の運用実績がないので実際の運用力が未知数であったり流動性リスク やスタート時点での運用資産が少ないというデメリットがありますが、だからこそ後から資金が流入して価格が上昇する恩恵を受けることができる可能性があります。

加えて既存のファンドにない内容や魅力を持っており、新しい分野の投資機会をいち早く捉えることができることや、従来と同じ指数に投資するファンドでもコスト競争から手数料が低くなっている可能性があります。

新設される投資信託は金融機関が現在の市場環境や投資家のニーズを分析した上で組成されるものですので、足元の市場で注目されているトレンドを理解することに繋がると考えられます。また運用会社の戦略や意図を読み取ることにも繋がるでしょう。

特定の資産クラスに焦点を当てたファンドが登場すれば、その資産クラスが今後の注目テーマであることを示している可能性があり、こうした視点を持つことは投資戦略の参考になるでしょう。

2024年の新設ファンドを振り返る

例えば2024年には個別ファンドでは【eMAXIS Slim米国株式(S&P500)】、【eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)】が引き続き強い人気となりました。加えて【アライアンスB・米国成長株投信 D(アライアンス)】も人気。米国株人気が続いており、昨年新規設定された【SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)】も大人気となりました。

SBI・S・米国高配当株式ファンドは、ダウ・ジョーンズ US ディビデンド100インデックスという指数に連動する投資成果を目指すETFに投資するもので、年率0.1238%程度と低コストも特徴です。この指数は、米国の10年以上安定した配当かつ高利回りの100銘柄で構成されています。

同じく昨年新規設定された、米国の国家戦略から恩恵を受けると期待される企業の株式に投資するファンドである【アメリカ国家戦略関連株ファンド】など、米国株人気は引き続き継続。また【グローバル・フィンテック株式ファンド(1年決算型)】などテクノロジー関連ファンドも多く、テック株への関心は強かった年でした。

一方で、インフレや地政学リスクの高まりから金価格上昇で【三菱UFJ純金ファンド】など金関連の新設ファンドも人気化しました。

では今年はどのようなファンドが出ているのか見ていきましょう。

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