はじめに

収支に大きな差額!支出の把握が不十分

まず、現状の収入と支出を整理していきましょう。手取り収入は、副業によるばらつきがあるとはいうものの37〜40万円とのことです。一方で、月の支出が25万9,000円、貯蓄が8万円、投資が1万6,000円ということですから、合計で35万5,000円です。収入との差額が、毎月1万5,000円以上あります。さらに、毎月8万円貯金に回し、副業による臨時収入も年1〜2回50万円程度入る可能性があるとおっしゃっています。

それにもかかわらず現在の貯金は18万円。このような状況をみると、かなりの「見えないお金」が発生しているのではないかと思います。食費やお小遣い、その他の項目に含まれる支出など、毎月支出額が変わる「変動費」や、家具や旅行などの年に数回あるかないかの「特別費」を、把握しているより多く使っている可能性があります。

財布からいつの間にか消えていくこのような「見えないお金」は、結婚資金を貯めるための計画のみならず、結婚後の家計管理にも大きく影響してきます。まずは、現在の支出を正確に把握することから始めましょう。

投資より先に生活防衛資金の確保を

現在、企業型DC、NISA、持株会で毎月1万6,000円の投資を行っています。特に持株会は20%の奨励があり、短期的に見れば魅力的な制度と言えます。しかし、現在の貯蓄額は18万円。月々の生活費(25万9,000円)の1カ月分にも満たない状況です。急な病気やケガにより支出が増え、収入が減ったときに、生活を維持するお金が1カ月分もない状態で、非常に危険です。

緊急の場合に備えて生活防衛資金を現金で貯めておく必要があります。一般的に、会社員であれば、最低でも3カ月分、できれば6カ月分の生活費を確保することが推奨されます。相談者さまの場合、3カ月分で約78万円、6カ月分で約156万円が目安となります。特に、副業収入が不安定な状況では、より多めの生活防衛資金を確保しておくことが望ましいでしょう。

新居費用に充てる現金確保も課題

心配されている今夏の結婚に向けての新居費用は、都内の賃貸物件の場合、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用は家賃の約5カ月分程度が相場と言われています。

現在の家賃は7万3,000円ですが、新居は2人で暮らすことを考えると、もう少し広い部屋が必要でしょう。どこに住むか、どれくらいの広さに住むかにもよっても変わってきますが、仮に23区で1LDKの部屋を借りるとすると、家賃相場はおおよそ10万円台前半から20万円台前半です。仮に15万円の部屋を借りるとすると、約75万円の初期費用が必要になります。さらに、引越し費用や新生活のための家具・家電の購入なども考慮する必要があります。

これらの支出は、時期や金額が決まっていますから、現金の確保を最優先に取り組むべきです。投資は長期的な資産形成には重要ですが、足元の資金繰りが不安定な状況での投資は、かえってリスクを高めることになりかねません。

「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward HOME]