はじめに
車での遠出は夏季休暇以降がおススメ?
先ほど述べた「ガソリン価格に関わるもうひとつの要因」とは、ドル/円相場の動きです。日本の原油自給率は1%未満であり、ほぼ全量を輸入に依存しているため、為替相場の影響を大きく受けることになります。ドル/円相場は2021年以降、1ドル=100円台から、2024年7月には同160円を超えるまで大幅に円安が進みました。特に、2022年は1年の間に110円台半ばから150円超まで円安が加速。ガソリン価格をさらに押し上げた経緯があります。
ただ、足元ではトランプ関税のごたごたによる米経済の減速懸念などを背景に、ドル安・円高が進んでいます。この記事を書いている5月2日現在、1ドル=145円程度。2023年の中頃から2024年初頭にかけての水準で推移しています。
為替相場の変動がガソリン価格に与える影響については、やはりタイムラグが発生することは間違いないでしょう。「2週間弱」と分析しているエコノミストも見受けられたものの、原油価格との関係ほど明瞭な分析は見当たりませんでした。ここ半年~1年ほど、為替相場のボラティリティ(変動幅)が大きくなっており、ガソリン元売り会社も急な値下げに走らず、為替相場の動向を注視している可能性があります。
そうは言っても、もしこの先、1ドル=150円を割り込んだ水準で推移が続けば、ガソリン価格は下げざるを得ないのではないでしょうか。ドル/円相場が160円から140円台までおよそ10%弱、円高・ドル安が進んだことを考えると、ガソリン価格も1割程度の値下がり圧力がかかるものと思われます。
上記をまとめると、ガソリン価格は「原油価格の下落」と「円高/ドル安」、これに政府によるガソリン価格の引き下げ策が加わり、今後数か月で、レギュラーガソリン価格は1リットル当たり140円を下回るまで値下がりする可能性が十分ありそうです。車で移動される場合は、この大型連休の間は旅行や外出は近場にとどめ、夏休みに思い切った遠出を計画するほうがいいかもしれません。
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