はじめに
株式分割のメリットとデメリット
まずは企業側の事務負担の増加です。少額株主が増えると株主総会の招集通知や議決権行使書類の送付、優待があればその送付などの企業の事務コストが増えるため、特に中小企業にとって懸念となるでしょう。また投資初心者が新たに株主になってくれることは企業としては喜ばしい反面、議案への理解が不十分な株主が増えることで株主総会の運営に影響する可能性もあります。
また値動きの面でも株式分割を実施したことで短期的な値動きが荒くなってしまうと、投機的な銘柄だと考えられたり長期的な成長性に対して懐疑的な目でみられたり企業の信用度を低下させる可能性もあります。
個人投資家が注目すべきポイント
個人投資家としては、株式分割のニュースに注目して短期的な値動きを利益に変えることを狙ってみるのも選択肢になると思います。分割=株価上昇ほど単純ではなく、業績や成長見通しが伴わなければ株価が下がることもありますのでその企業の定性的、本質的な価値や、ビジネスモデルを見極めることも必要です。株式分割の実施とその理由の明確な説明にも注目しましょう。
IR活動が活発な企業への注目
長期投資の目線ではすでに株式分割を実施している企業(すでに目標近辺の株価や株式分割を戦略的に実施している企業)、個人投資家との対話を重視するIR活動が活発な企業に注目することが、長期的な成果にもつながるのでは。私自身、上場企業のIR支援の会社を経営していますが、個人投資家向け、なかでも若年層や投資初心者層に向けた情報開示の見直しをしている企業、個人投資家と建設的な対話を試みる姿勢のある企業は投資家目線でも魅力があると感じています。企業の決算説明資料はもちろん、社長インタビューなど社長がどう投資家にアプローチしているのか、また企業のXやYouTubeなどの活用にも目を向けてみてはいかがでしょうか。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。
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