はじめに
今手元に100万円あったら、どうやって増やしますか?
貯蓄から投資へと意識が変化しつつある昨今、資産形成は人生における重要なテーマの一つといえるでしょう。今回は100万円を倍の200万円に増やすときに知っておきたい「72の法則」やリスクとリターンの関係性、投資の制度をお伝えします。あなたの投資戦略の参考にしてください。
「72の法則」で知る、100万円が2倍になるまでの時間
資産運用を考える上で便利な「72の法則」をご紹介します。これは、「お金が2倍になるまでのおおよその年数」を簡単に計算できる法則です。
この法則を使って、100万円が200万円になるまでの期間を、年利別に見てみましょう。
2025年4月時点の大手都市銀行の普通預金、年利0.2%で計算すると、72 ÷ 0.2 = 360年。気が遠くなるような時間ですね。普通預金だけでお金を倍にするのは現実的ではありません。
では、年利1%ではどうでしょう。この場合は72年。これも非常に長いです。人生100年時代とはいえ、老後資金としても時間がかかりすぎます。次に年利3%の場合は24年。現実的な期間に見えてきました。30代40代の方が老後資金や中期的な目標のために始めるなら、目指せる範囲かもしれません。
年利5%の場合は14.4年。約14年半なら教育資金や住宅購入資金など、具体的なライフイベントに間に合わせることも考えられる期間です。年利7%の場合10.3年。比較的短期間のため、これだけのリターンを目指すには、相応のリスクを取る必要があります。
短期決戦はリスク高。「時間を味方につける」発想を
「1年で100万円を200万円にしたい!」と考える方もいるかもしれません。この場合は
の計算式となり、72 ÷ 1 = 72%の年利が必要です。年利72%のリターンは、一般的な投資の世界では非常に高く、詐欺的な話か、あるいは非常にハイリスクな投機(ギャンブルに近いもの)、個別株等で大暴騰でない限り実現は難しいでしょう。
リスクとリターンは振り子の関係です。短期間で大きなリターンを狙う投資は、うまくいけば大きな利益を得られますが、失敗した場合には大きな損失を被る可能性があります。元手の100万円が、あっという間に半分以下、場合によっては全額を失いかねません。
また、72の法則はとても便利な計算式ではありますが、実際、値動きの激しい株や投資信託は決まった利回りで運用ができないため、思った通りの利益を上げることはほぼ不可能です。そのため、あくまで参考とする必要があります。