はじめに
金融商品の組み合わせでリスクをコントロールする
倍にするために一番安定的な方法はお分かりの通り、年利が低くても時間を味方につけることです。しかし、普通預金で数百年というのは現実的ではありませんから、ご自身の目標(いつまでにいくらにしたいか)、許容できるリスクの度合い、投資に関する知識や経験などを考慮して、最適な組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることが重要です。
多くの場合リスクを分散するために、値動きの異なる複数の資産(株式、債券、不動産など)や地域(国内、先進国、新興国など)に分けて投資する「分散投資」が有効とされています。こうして、長期的視点と分散投資でリスクをコントロールしていきます。
リスクを知ったうえで、ご自身のリスク許容度がどれくらいかをみていきます。暴落時に投資したお金が減って心配で眠れない場合は、リスク許容度以上に投資をしてしまっています。暴落しても安心して眠ることができる金額を投資するのが一つの目安になるかもしれません。
投資初心者の方は、無理に高いリターンを狙うのではなく、元本を守りながら、着実に資産を増やしていくことを心掛けてください。普通預金や定期預金、元本確保型の日本国債や保険商品を基本とし、あくまで余裕資金で投資信託や個別株投資をおこないましょう。
投資上級者はFX、仮想通貨、コモディティ(商品)投資を組み入れてもいいでしょう。投資を成功させるためのポイントは、信頼できる情報源から情報を入手することと、商品性をよく理解することです。投資前に、金融商品や市場動向に関する情報をしっかりと収集することが重要です。
NISA、iDeCoの活用で税制の優遇を受ける
72の法則は税金が考慮されていません。株や投資信託で得た利益には一般的には税金がかかります。売却益に対して20.315%の税金(2025年4月現在)がかかるため、投資戦略を立てる際には、税金の影響も考慮することが重要です。NISAなどの非課税制度を活用することで、税負担を抑えながら効率的に資産形成を進めることができます。
・NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)
NISA口座内で購入した株式や投資信託などから得られる利益(値上がり益や配当金・分配金)が非課税になる制度です。2024年から新NISA制度が始まり、非課税保有期間が無期限化されました。年間の投資上限額も拡大し、非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
・iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。また、運用期間中の利益も非課税となり、受け取る際にも退職所得控除や公的年金等控除といった税制優遇があります。原則として60歳まで引き出すことができないため、老後資金作りに特化した制度といえます。NISAとの併用も可能です。
これらの制度をうまく活用することで、税金の負担を抑えながら、効率的に資産を増やしていくことが期待できます。
例えば、45歳までに1,800万円NISA口座に入金し、年利3%でほったらかし投資をした場合、72の法則に当てはめると、24年後3,600万円の計算となります。長期で運用する場合、非課税のメリットは非常に大きくなります。
ご自身の状況に合った投資戦略を立て、長期的な視点で資産形成に取り組みましょう。大切な100万円を、将来の安心や夢の実現のために、賢く育てていけるといいですね。
新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]