はじめに

3. 分散投資は安心感を得るための手段

投資をはじめた頃は「いかに効率よく儲けるか」を重視していた人も、10年以上の経験を積むと、「いかに安心して持ち続けられるか」に考えがシフトすることが多いと感じます。資産が多くなってきた方もその傾向にあるようです。

安心して保有する場合に有効なのが資産の分散です。地域、業種、通貨、資産クラス(株・債券・不動産など)を分けておくことで、特定のリスクが全体に与える影響を抑え、精神的にも安定した投資が可能になります。利益の最大化ではなく、「続けられる仕組み」としての分散を大切にしています。

4. 「目先の利益」より「積み上げた実績」に目を向ける

今日どれだけ株価が上がったか、配当がいくら入ったか。そんな短期的な視点よりも、長期投資家が見るのは「5年、10年かけてどれだけ資産を増やせたか」という実績です。市場は短期的にはノイズに満ちていますが、長期では企業の成長や経済の拡大に伴って資産も育っていくことを、彼らは経験で知っているのです。だからこそ、他人の成功談やSNSのトレンドに心を動かされず、自分のペースで淡々と積み上げていく姿勢が貫かれています。

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5. わからない投資先には手を出さない

経験を積んだ方ほど、謙虚な方が多いもの。常に相場は動いているので学び終わることはないと考えているようです。新しいテーマや話題の銘柄に対しても、「これは自分が理解できる範囲にあるか?」と問いかけたうえで投資判断を下します。特に、金融商品は複雑化しているため、仕組みが理解できないものには手を出さないという慎重さが身についています。「わからない=リスクが測れない」ことを意味し、投資を続けるには、それは避けるべき対象であることを彼らは知っているのです。

6. 複利の力を活用し、時間を味方につける

長期投資家にとって、最大の味方は時間です。初期の小さなリターンも、時間をかけて再投資し続けることで、複利の力によって雪だるまのように資産が増えていきます。これは一朝一夕では実感できないものの、10年を超えて投資を続けてきた人なら、その威力を肌で感じているはずです。だからこそ、投資のスタートが早ければ早いほど良いという考えに行き着くのです。例えば、プロの投資家で「新NISAはオルカンだけ年初一括、あとは放置して見ない」という戦略をとっている方を複数知っていますが、長期で資産を構築する上では、そういったやり方もあるようです。

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